2018 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of developmental mechanisms of motor neurons that innervate the avian cucullaris muscle
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18K06835
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
八木沼 洋行 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90230193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向笠 勝貴 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (60706349)
本間 俊作 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (20261795)
渡邉 裕二 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80301042)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 僧帽筋 / 運動神経 / 鳥類 / 背側運動神経核 / 副神経 / Hox / ROBO3 |
Outline of Annual Research Achievements |
「(1)dMNの発生におけるmicroRNA-9(miR-9)が果たす役割の解明」については、 運動神経の発生に関与することが知られているmiR-9が、背側運動神経(dMN)の発生に関わっているか調べるために、miR-9の強制発現を行った。その結果、dMNの分化マーカーを示す細胞は観察されるものの、発生領域であるNkx2.2陽性領域から最終定着領域(運動神経核の背側)までの移動が阻害されていることが判った。細胞移動や突起伸展に関係するROBOファミリーの発現について検索したところ、ROBO1や2、またリガンドであるSLIT1, 2の発現には異常なかったが、ROBO3のみNkx2.2陽性領域に異所性の発現が認められた。正常個体での発生を調べたところ、ROBO3の発現が認められるのはdMNが移動を完了した後の時期であるのに対し、miR-9強制発現例では、dMNの移動以前にROBO3が発現していることが分かった。これらの結果はmiR-9はROBO3の発現を早発させることを示している。「(2)dMNおよび副神経運動神経(SAN-MN)の発生におけるHox分子の関与」については、頚髄に発現するHox分子のdMNおよびSAN-MNにおける局在について調べた。その結果、Hoxc5は頚髄の体性運動神経には発現されているものの、dMN/SAN-MNにおいては全く発現が認められなかった。一方、Hoxa5はdMN/SAN-MNで発現があり、その発現の吻側の境界はSAN-MNの吻側端と一致した。これらの結果は、dMN/SAN-MNの発生分化に対して特定のHoxの関与を示唆するものである。「(3)dMN/SAN-MNの軸索伸展メカニズム解明」について、2018年度はdMN/SAN-MNの軸索特異的なGFP発現系の開発を目指した。タイムラプスシステム技術は確立されたが、成果はまだ出ていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)dMNの発生におけるmicroRNA-9(miR-9)が果たす役割の解明についておよび(2)dMNおよび副神経運動神経(SAN-MN)の発生におけるHox分子の関与は、当初の予定通り順調に進んでいるものの、(3)dMN/SAN-MNの軸索伸展メカニズム解明については、技術的な難度が高く成果が出ていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
「(1)dMNの発生におけるmicroRNA-9(miR-9)が果たす役割の解明について」は、今後、ROBO3の発現とdMN移動の異常の因果関係について明らかにすることを目指す。このため、ROBO3そのものの異所性発現とdMNの背側への移動との関係について解析を進める予定としている。「(2)dMNおよび副神経運動神経(SAN-MN)の発生におけるHox分子の関与」については、今後強制発現や機能阻害実験を通じてその役割を明らかにしていく。「(3)dMN/SAN-MNの軸索伸展メカニズム解明について」は、Nkx2.2のプロモーター領域にGFP遺伝子を繋げたコンストラクトの導入発現の至適な条件を探っていくとともに、プロモーターに依らずに限局的な電気穿孔法の技術を試していくことで技術的な問題の解決を試みる。
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