2019 Fiscal Year Research-status Report
性差形成過程における間葉リモデリング制御機構の解明
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18K06837
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 堅太郎 和歌山県立医科大学, 先端医学研究所, 准教授 (20404345)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | SEXOME / 性差 / アンドロゲン / Mmp / ECM / 器官形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
性差形成には男性ホルモンであるアンドロゲンが不可欠である。しかし、どのような分子を介して、どのような機序で性差を形成するのか?アンドロゲンによる性差形成メカニズムは、いまだにわかっていない。申請者は、顕著な性差を形成するマウス外生殖器形成過程をモデルとして、発現に性差がある遺伝子(性差因子)を同定し、細胞増殖の性差、細胞骨格制御を介した細胞移動の性差形成が不可欠であることを明らかにしてきた。 本研究は、細胞外マトリックス(ECM)のリモデリングが性差形成に不可欠なアンドロゲンシグナルの下流イベントである可能性、およびその分子制御メカニズムを外生殖器原基組織切片培養、さらに遺伝子改変マウス解析を駆使して明らかにすることを目的としている。昨年度の研究によりオスのみに発現するMatrix metalloproteinase(Mmp)を同定した。同Mmpの基質として知られているフィブロネクチン、ラミニン、コラーゲンの発現を免疫染色法により詳細に調べたところ、間葉組織および基底膜におけるあるコラーゲンの発現が雌雄で異なることを見出した。さらに、性差因子の1つであるMafb(V-maf musculoaponeurotic fibrosarcoma oncogene homolog B)のノックアウトマウスの解析から、本来オスのみで発現する同Mmpの発現は、オスMafBノックアウトマウスにおいて著しく低下していること、さらにオスで起こるべきコラーゲンのリモデリングが起こらないことを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発現がダイナミックに変化するMmpおよび細胞外マトリックスを同定したことにより外生殖器性差形成過程におけるECMリモデリングの重要性さらにその制御機構の具体性が見えてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
外生殖器原器組織器官培養システムを用いて、Mmpの阻害剤を用いた阻害実験により外生殖器性差形成過程におけるMmpおよびECMリモデリングの意義について、細胞移動、細胞増殖の観点から検証する。
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Causes of Carryover |
さまざまな細胞外マトリックスの抗体を購入する予定であったが、予想よりも少数の抗体で十分な結果を得ることができその必要がなくなったため。ECMリモデリング因子の阻害剤の購入に使用する予定。
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Research Products
(6 results)