2019 Fiscal Year Research-status Report
新規ユビキチンリガーゼを標的とするアルツハイマー病の治療薬開発に向けた基盤研究
Project/Area Number |
18K06855
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
安川 孝史 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (60291936)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ユビキチンリガーゼ / アルツハイマー病 / BRI2 / BRI3 / NRBP1 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) NRBP1-ユビキチンリガーゼのBRI2/BRI3のユビキチン化におけるCul2とCul4Aの必要性を検証した。Cul1、Cul2、Cul3、Cul4A、Cul4B、Cul5のドミナントネガティブ(DN)変異体発現ベクターを作製し、293T細胞にNRBP1、TSC22D3、TSC22D4、HA-TR-TUBEとBRI2あるいはBRI3を導入し、その細胞抽出液を抗HA抗体で免疫沈降後、抗BRI2あるいは抗BRI3抗体によるウエスタンブロットを行った。その結果、DN-Cul2あるいはDN-Cul4Aの導入によりユビキチンリガーゼ活性が減弱した。逆にCul2あるいはCul4Aを過剰発現させた場合のみ、同活性の増強が見られた。 2) 神経系細胞F11において見られた、siRNAによるNRBP1のknockdownによるBRI2ならびにBRI3の安定化、Aβ産生の抑制の検証を行った。siRNA抵抗性NRBP1をsiRNAと共に導入にしたところ、このBRI2/BRI3安定化ならびにAβ産生抑制が解除された。この成果は、Cell Reports に掲載された。 3)NRBP1とBRI2/BRI3間の相互作用を阻害する化合物のスクリーニング系の構築 NRBP1の後半部分とLgBiT、BRI2/BRI3とSmBiTを融合させた場合の組み合わせで強い発光を得られたが、ハイスループットのスクリーニング系に用いるにはS/B比がまだ低いと考えられた。そこで、分泌型Gaussia luciferase (Gluc)によるsplit-luciferase complementation法 を用いた系を構築し5倍のS/B比を得ることが出来た。現在、この系を用いて理化学研究所の創薬・医療技術基盤プログラム(理研DMP)支援の下、共同で同化合物のスクリーニングを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NRBP1とBRI2/BRI3との相互作用を阻害する化合物のスクリーニング系の構築が完了し、同化合物探索のテーマが理化学研究所の創薬・医療技術基盤プログラム(利権DMP)に採択され、共同でスクリーニングも開始し出来ているので、本研究は、順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)一次ヒット化合物の二次評価 濃度依存性試験と非特異的ヒットを排除するための全長Glucを用いたカウンターアッセイを行う。 2)高次評価 得られた二次ヒット化合物についてNRBP1-ユビキチンリガーゼのBRI2/BRI3のユビキチン化の阻害、②NRBP1とBRI2/BRI3間の結合の阻害、③神経系細胞においてAβの産生および凝集の抑制、について濃度依存性試験等の解析を行う。①から③の条件を満たす化合物を真のヒット化合物と認定する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] NRBP1-Containing CRL2/CRL4A Regulates Amyloid β Production by Targeting BRI2 and BRI3 for Degradation2020
Author(s)
Yasukawa T, Tsutsui A, Tomomori-Sato C, Sato S, Saraf A, Washburn MP, Florens L, Terada T, Shimizu K, Conaway RC, Conaway JW, Aso T.
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 30
Pages: 3478-3491
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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