2018 Fiscal Year Research-status Report
心不全が引き起こす洞結節機能障害のメカニズム解明と新たな治療方法の開発
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18K06856
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
篠原 徹二 大分大学, 医学部, 助教 (60457629)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心不全 / 洞不全症候群 / 心房細動 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全患者には洞不全症候群および心房細動などのリズム異常を合併することが多い。そのメカニズムとして、洞結節細胞の線維化およびリモデリングの関与が推測される。しかし、いまだそのメカニズムの詳細は解明されていない。我々はこれを解明する目的で、今年度において、まず①実臨床における心不全患者と心房細動の関係、②心房筋の線維化および心房細動の発生においてヒスタミンレセプターの関与、についてそれぞれ検討を行った。このうち、①心不全患者と心房細動の関係について2019年3月に開催された第83回日本循環器学会学術集会(横浜)で発表した。この発表演題は、高齢化の進む本邦での医療現場では慢性心不全患者に心房細動を併発するケースが多く、その治療においてカテーテルアブレーション治療が効果的である可能性を報告した。 ①Fukui A, Shinohara T, et al. Catheter Ablation of Atrial Fibrillation Reduces Heart Failure Re-hospitalization in Heart Failure with Preserved Ejection Fraction (HFpEF) Patients さらに、糖尿病マウスを用いて洞結節細胞の線維化に伴う洞結節機能障害にインターロイキン10が関与していることを報告した。このことは、今後心不全に伴う洞結節機能障害の進展を抑制する方法の開発につなげていくことができる。 Kondo H, Shinohara T,et al. Interleukin-10 treatment attenuates sinus node dysfunction caused by streptozotocin-induced hyperglycaemia in mice. Cardiovasc Res. 2019;115:57-70.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心不全が洞結節障害を誘導するメカニズムの解明において、心房筋の線維化の関与を明らかにしつつある。そして、本年度末である3月に横浜において開催された第83回日本循環器学会学術集会において演題を発表することができたことから、我々は順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで解明できたことをさらに進めていく。具体的には、我々は最近糖尿病マウスにおいて洞結節障害が起こり、このことにインターロイキン10が関与していることを報告したので、このことで得られた知見を利用して、目的とする研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度予定していた実験の一部が進行状況の関係で、次年度に繰り越しました。このため、その際に必要とされる消耗品などの購入を次年度繰り越すこととなりました。今後この予算を使用して実験を予定通りに続行けていく計画です。
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Research Products
(2 results)