2018 Fiscal Year Research-status Report
TASK1チャネルによるアドレナリン分泌調節とその生理的意義の解明
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18K06865
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
松岡 秀忠 産業医科大学, 医学部, 講師 (90374991)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | TASK1 channel / endocytosis / p11 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、内分泌細胞の生理機能発現におけるTASK1チャネルの分子基盤の解明を最終目的とする。本年度までにTASK1チャネルの機能調節にクラスリン依存性エンドサイトーシスが関与し、そのエンドサイトーシスに、PLC、PKC、Srcが関与することを明らかにした。今年度は、TASK1チャネルエンドサイトーシスの分子機構をさらに詳細に解析した。ムスカリン刺激に伴うTASK1チャネルエンドサイトーシスにPKCαの活性化が重要な役割を果たすことを明らかにした。PKCαの活性化が、1)Pyk2を活性化し、PKCαとPyk2の細胞膜での相互作用を誘導すること、2)(活性型)Pyk2とSrcの細胞膜での相互作用、SrcによるTASK1チャネルのリン酸化を誘導すること、を明らかにした。近年、細胞内タンパク質のp11(S100a10)がTASK1チャネルと相互作用し、細胞膜へのトラフィッキングに関与することが報告された。そこで、TASK1チャネルの細胞膜局在へのp11の関与についても解析した。副腎髄質細胞およびPC12細胞では、p11タンパク質が発現していないことを明らかにした。さらに、p11発現細胞である副腎皮質細胞およびH295R細胞ではTASK1チャネルが細胞質に局在していること、PC12細胞にp11を強制発現するとTASK1チャネルの局在が細胞膜から細胞質へ変化することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ムスカリン刺激によるTASK1チャネルエンドサイトーシスの分子機構をさらに詳細に明らかにした。加えて、TASK1チャネルの細胞膜局在にp11タンパク質との相互作用が重要な役割を関与することを示唆した。それらの結果は、学会にて報告し、さらに学術論 文に投稿し受理され、当年度の目標は達成された。次年度は、TASK1ノックアウトマウスを用いた個体レベルでの機能解析へと移行し 、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
TASK1チャネルの機能調節機構について、チャネルエンドサイトーシスだけでなく、細胞膜へのトラフィッキング機構の解明にも着手しており、分子レベルでの詳細な機能調節機構を明らかにしつつある。今後さらに解析を進め、TASK1チャネル機能調節機構の全容を明らかにする。細胞レベルで得られた結果を元に、ノックアウ トマウスを用いた個体レベルの解析も進めることにより、TASK1チャネルの生理的意義の解明が計画通り進展するものと期待できる。
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Causes of Carryover |
(理由) 本年度、TASK1チャネルの機能調節機構および細胞膜局在機構の新しい知見を得た。その成果報告のための学会参加、学術論文投稿に専念したため 、TASKチャネルノックアウトマウスにかかる飼育費、生化学検査受託費等が不必要となった。 (使用計画) 引き続き、様々な細胞応答におけるTASK1チャネル機能調節機構の全容を明らかにするため、遺伝子工学製品や細胞培地などの消耗品 の購入に使用する。また、TASKチャネルノックアウトマウスの解析に必要なマウス維持のための飼育費、生化学検査受託費等に使用す る。加えて、成果報告の学会参加、論文投稿に使用する。
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Research Products
(5 results)