2018 Fiscal Year Research-status Report
Physiological role of mitochondrial heterogeneity in ventricular myocytes
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18K06869
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
竹内 綾子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (00378704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋吉 隆夫 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (60373510)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心室筋細胞 / ミトコンドリア / トランスポータ |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスから単離した心室筋細胞を用いて、ミトコンドリアNa-Ca交換輸送体NCLXと筋小胞体CaポンプSERCA、筋小胞体RyR受容体、細胞膜Na-Kポンプとの蛍光二重免疫染色をそれぞれ行った。超解像顕微鏡システム(ニコンN-STORM;デモ機を利用した)により取得した画像を用いて、NCLXとこれらの分子との共局在解析を行った。その結果、Manders’ coefficientsは、SERCA>RyR>Na-Kポンプの順となり、NCLXとSERCAが最も近い位置に局在することが示唆された。 細胞内構造リモデリング時におけるミトコンドリア機能、ならびに心室筋細胞機能の変化を評価するために、T管破壊の条件を確立した。細胞膜感受性蛍光色素di-8-ANEPPSを負荷した心室筋細胞を1.5 M ホルムアミドで処理すると、sarcolemma由来のシグナルは保持したままT管由来のシグナルがほぼ完全に消失した。すなわち、著しいT管破壊が誘発されることが確認できた。また、蛍光色素TMREを用いてミトコンドリア膜電位を評価したところ、T管破壊によりミトコンドリア膜電位は著しく脱分極していた。一方、control細胞、T管破壊細胞いずれにおいても、細胞内の位置によるTMRE蛍光強度の不均一性は検出されなかった。 既に構築した心室筋細胞数理モデルに、NCLX、SERCA、RyR分子の局在を考慮できるよう新たなコンパートメントを導入し、動作確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子の共局在解析が進み、T管破壊実験系を確立できたこと、数理モデル構築に着手したことから、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、超解像顕微鏡システムを用いてNCLXと種々の分子との局在解析を進める。また、T管破壊によるミトコンドリアならびに心室筋細胞機能の解析を行う。特に、細胞内の位置によるミトコンドリア膜電位の小さな違いを検出するためには、TMREによる評価は不十分である可能性があるため、ratiometryが可能なJC-1による評価に切り替える。さらに、ミトコンドリアならびに細胞質Ca動態の細胞内不均一性の評価を行う。上記実験で得られる分子の局在、機能的不均一性を考慮し、心室筋細胞数理モデルを精緻化する。モデル予測-実験検証を繰り返し、ミトコンドリア機能の不均一性が心室筋細胞機能にどう関わるかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究打ち合わせのために博多-福井間の旅費を計上していたが、平成30年度はスカイプでの打ち合わせで問題が解決し、予定通り研究を遂行できた。そのため、次年度使用額が生じた。令和元年度は、数理モデル解析のためのPC・ソフトウェアの設定など、代表者と分担者の直接のやり取りが頻繁に必要となるため、研究打ち合わせのための旅費として使用する予定である。
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Research Products
(7 results)