2020 Fiscal Year Research-status Report
経血管灌流標本を用いた内臓感覚性呼吸リズム調節を実現する神経ネットワークの解明
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18K06874
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
濱 徳行 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (60422010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 茂文 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (50294369)
伊藤 眞一 島根大学, 医学部, 特別協力研究員 (10145295) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 呼吸リズム / 孤束核 / 光遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
呼吸は生命維持に不可欠な運動であり,呼吸リズム生成・調節機構の解明は重要な生理学的課題である。呼吸リズム調節において肺胞の拡張,血圧や体液のpH・ ガス分圧の変化などの内臓感覚は重要な役割を果たしている。これらの内臓感覚は脳幹に存在する孤束核で中継されており,孤束核から呼吸リズム生成を行う腹側呼吸ニューロン群へ興奮性及び抑制性ニューロンが投射している。本研究ではこれらの投射ニューロンによる呼吸リズム調節の神経機構を明らかにすることを目的とする。 孤束核興奮性ニューロンの活性化が呼吸リズムに与える影響を光遺伝学的手法を用いて解析した。孤束核興奮性ニューロンを持続的に活性化させたところ,呼吸が停止した。ついで,呼吸周期特異的に刺激を行った。吸息相での刺激では呼吸リズムに影響は見られなかった。呼息相での刺激では呼息時間の延長によって呼吸頻度が低下した。刺激時間依存的に呼息相の延長時間も増大した。これらのことから,孤束核興奮性ニューロンは呼息ニューロンを興奮させることで呼吸リズムを調整していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞外記録,細胞内記録法の確立が困難であり,現在も最適な手法を模索している。これらの要因のため,やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
呼息ニューロンは活動パターンの異なる複数のニューロン群が存在することが知られている。そこで,細胞外記録,細胞内記録法を用いて孤束核興奮性ニューロンがどの呼息ニューロンに接続しているのかを明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの感染拡大による参加予定であった学会の開催が延期され,旅費が不要となった。令和3年度の消耗品の購入に充てる予定である
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