2019 Fiscal Year Research-status Report
自発的小胞放出を欠損するゼブラフィッシュを用いたシナプス伝達メカニズムの解明
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18K06882
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
小野 富三人 大阪医科大学, 医学部, 教授 (70743996)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | シナプス / ゼブラフィッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度mutantと野生型との比較から得られた、発現量の変化が認められた遺伝子のうち、遺伝子A、B、Cの3つにターゲットを絞って解析を進めた。遺伝子Aについては、digital PCRを行なったところ野生型で7倍程度mRNAの発現量が増加していた。Aは今までに他の種類の生物も含めて報告のない遺伝子であったことから、in situ hybridizationを行なったところ全身にシグナルが認められた。またゼブラフィッシュで類似の遺伝子を探索したところ、ゲノム上の同一箇所で類似の遺伝子が10個程度認められ、進化の過程でゲノム上で複製が行われたことが示唆された。アミノ酸配列からタンパクに特異的な抗体を作成し、免疫染色を行なったところ、腎臓の遠位部分と皮膚の分泌細胞にシグナルが認められた。抗体の特異性と、タンパク質の生体内での機能を解析するためにノックアウト個体の作成を試みた。ENU mutagenesisによってタンパクの合成が阻害される系統が入手できたため、ホモの個体を作成して解析を進めている。遺伝子B、Cについても同様にデータベース上での類似遺伝子の探索、digitalPCRでの遺伝子発現量変化の測定、in situ hybridizationと抗体による発現組織の解析、遺伝子ノックアウト個体でのフェノタイプの解析を進めていく予定である。本課題に直接関わるものではないが、実験テクニックや試料が共通であるプロジェクトから得られた実験結果を論文としてまとめ、2020年4月に国際誌Science Advancesに発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要で述べたように、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
概要で述べたように、先行している遺伝子Aの解析を進めるとともに、遺伝子B,Cについても順次進めていく。
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Causes of Carryover |
購入予定であった試薬の一部が、共同のものを使用することで購入されなかった。次年度の実験に使用する。
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