2018 Fiscal Year Research-status Report
光遺伝学的アプローチによる神経分泌ニューロンへのシナプス入力修飾メカニズムの解明
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18K06883
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
石井 雅宏 産業医科大学, 医学部, 助教 (30461560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 光遺伝学 / バゾプレッシン / シナプス入力修飾 / 神経内分泌 / パッチクランプ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
AVP-ChR2-eGFP トランスジェニックラット(5-7 週齢) に、2%食塩水負荷を5日間行い、脱水状態にする。その後、麻酔下で迅速に脳出しを行い、SON を含む 300 μm の切片を作成した。SONを含む脳スライス標本を用い、蛍光顕微鏡でAVP-ChR2-eGFP陽性ニューロンを同定した。同定したニューロンに対しホールセルパッチクランプ法により膜電位を固定した状態で膜電流は問題なく記録できた。次に記録しながら青色光照射した。青色光が照射された際に細胞内へのinward currentが照射前より増加していることが複数回、異なった切片で確認できた。 また、この変化は青色光の照射を中止すると速やかに元に戻った。 これにより細胞単離だけでなく、スライスの状態でもAVPニューロン中のChR2が正常に機能していることが確認できた。 次に固定膜電位が変化することにより青色光照射中のinward currentも変化することが確認できた。また、固定膜電位を変化とさせることにより膜電流の変化も起こることが観察できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の研究実施計画の項目に記載した、AVP-ChR2-eGFP トランスジェニックラットを使用し2%食塩水飲水負荷における視床下部視索上核でのAVPニューロンの興奮時の膜電流変化・ AVP-ChR2-eGFP トランスジェニックラット (5-7 週齢) に、2%食塩水飲水負荷を5日間行いその後、麻酔下で脳出しを行い、SON を含む 300 μm の切片を作成し、SONを含む脳スライス標本を用いてAVP-ChR2-eGFP陽性ニューロンからホールセルパッチクランプ法により膜電流を記録しながら青色光照射し、その際膜電位を変化させることにより膜電流の変化を観察するという平成30年度の予定をほぼ終了できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書の研究実施計画の項目に記載した、AVP-ChR2-eGFP トランスジェニックラットを使用した2%食塩水飲水負荷における視床下部視索上核でのAVPニューロンの興奮時のAVPが及ぼす作用を調べるためにAVP-ChR2-eGFP トランスジェニックラットで 前年度とと同様に、2%食塩水飲水負荷を5日間行い、AVP-ChR2-eGFP陽性ニューロンからホールセルパッチクランプ法により膜電位を固定した状態で青色光照射前の膜電流を観察し、その後照射し、人為的にAVPニューロン終末からAVPが放出させた後の膜電流を観察実験を行う。具体的には照射前(AVP放出前)と照射後(AVP放出後)でEPSCやIPSCの頻度やその電流の大きさに変化があるかを観察し、膜電位を-70mv固定でEPSC、‐15mv固定でIPSCを観察する。それに変化がある場合はAVP受容体拮抗薬を投与しその電流変化が修飾されるかを確認する。また同様の実験をAVP-ChR2-eGFP陰性のAVPニューロンでも行う。
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Causes of Carryover |
実験キットの単価が当初の予定より値下がりしたため。繰り越し金は実験キットの購入にあてる。
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