• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

「眩しさ」を生みだす痛み成分の神経機構に関する研究

Research Project

Project/Area Number 18K06884
Research InstitutionNational Defense Medical College

Principal Investigator

田代 晃正  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生理学, 助教 (60598118)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 太田 宏之  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 薬理学, 講師 (20535190)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords羞明 / メラノプシン / 三叉神経 / 副交感神経反射
Outline of Annual Research Achievements

強い光刺激は「明るい」だけではなく「眩しい(まぶしい)」という不快感をもたらす。我々はこの不快感が三叉神経系の侵害受容機構の活性化、つまり「眩しさ=明るさ+痛み」であるという仮説を提唱したい。また、桿体・錐体細胞が障害されていても、眩しさを感じるという報告もあり、第三の視細胞(メラノプシン発現網膜神経細胞)と眩しさの関わりも強く示唆されている。眼に異物が入ると、三叉神経を介した副交感反射により流涙が起こる。一方、我々は以前この三叉神経-副交感神経回路が強い光刺激に対しても応答することを報告した。
強い光刺激は視蓋前核(オリーブ核)、上唾液核を介した副交感神経反射を引き起こし、眼球内の血管を拡張させる。この血管の動きが侵害刺激となり、痛覚を受容する三叉神経系が興奮、上位中枢へ情報が上がり不快感として認知される。
網膜には桿体細胞、錐体細胞、さらにメラノプシン発現網膜神経節細胞(以下メラノプシン細胞)という3種類の光受容細胞が存在している。桿体、錐体細胞は主に視覚系の情報を担う一方でメラノプシン細胞は、瞳孔反射や概日リズムといった非視覚情報を担っている。このメラノプシン細胞からの信号は、頭痛をはじめとする侵害受容機構への関与も示唆されており、メラノプシン細胞の興奮が、頭痛やphotophobiaを発生させる三叉神経-副交感神経回路の活性のスイッチになると予測される。また、メラノプシン細胞はいわゆるブルーライト(波長460-480nm)で「オン」となることも報告されている。
本年度は、この青色光刺激により、三叉神経-副交感神経回路が活性されるかを検討した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当該年度は、当初の予定通り、青色光刺激による反射涙量の測定、Vcニューロンの興奮性の増大を記録し、データを収集することができた。
イソフルラン麻酔下、雄ラット(250-400g)を用いた。ObexーC1までを露出し、三叉神経脊髄路核尾側亜核(Vc)から、invivo 単一細胞外記録法も用い、角膜に受容野を持つ侵害受容ニューロンを記録した。青色光(波長=455nm、3000-10000lux)刺激を行い、Vcニューロンの反応の大きさ、及びそのニューロンの特性を解析した。角膜への機械刺激に応答するVcニューロン(角膜ニューロン)は我々が報告してきた方法により同定された。
その結果、Vcにおける角膜ニューロンのおよそ80%が白色光及び青色刺激に反応した。また角膜ニューロンの興奮の大きさは、白色光刺激同様に青色光の強度依存的に大きくなり、反応時間(duration)の延長及び潜時(latency)の短縮が見られた。
平行して三叉神経ー副交感神経回路の興奮を確認するために、イソフルラン麻酔下雄ラット(250-400g)を用い、青色光刺激に対する反射涙の量を測定した。その結果、反射涙量は青色光強度依存的に増加した。
以上の結果から、ipRGC を興奮させる青色光は三叉神経ー副交感神経回路は興奮を促し、眼の不快感を誘発させることが明らかとなった。

Strategy for Future Research Activity

軽度頭部外傷羞明モデルを用い、Vcニューロンの青色光刺激に対する反応の変化、及び反射涙量の変化を検証し、三叉神経の感作に伴うCraniofacial Autonomic Dysfunction と青色光の関係を明らかにしていく

Causes of Carryover

国内外の参加予定学会が、中止またはweb 開催となったため。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 軽度頭部外傷後の慢性頭痛の神経機構2021

    • Author(s)
      田代晃正
    • Organizer
      痛み研究会
    • Invited
  • [Presentation] 侵害受容ニューロンの興奮性に対するエストロゲンと迷走神経切断の影響2021

    • Author(s)
      田代晃正、守本祐司
    • Organizer
      第98回日本生理学会大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi