2020 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of GCN1L1 in mitochondrial stress response
Project/Area Number |
18K06910
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
葛西 秋宅 弘前大学, 医学研究科, 助教 (20609664)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Gcn1 / Gcn2 / Tamoxifen / Cre/loxP / Body weight loss / Amino acid starvation |
Outline of Annual Research Achievements |
Gcn1は真核生物においてアミノ酸飢餓ストレスに応答したタンパク質合成の抑制およびアミノ酸合成促進に必須の因子である。これまで、Gcn1ノックアウトマウスの解析から、Gcn1が胎児期の成長に必須であり、ホモノックアウトマウスは致死になることを明らかにした。本研究では成獣マウスにおけるGcn1の機能を明らかにするため、タモキシフェン誘導性Cre発現マウスおよびGcn1 floxマウスを交配し、条件付きGcn1ノックアウト(CKO)マウスを作製した。このマウス由来の線維芽細胞を解析したところ、Gcn1ノックアウトによりアミノ酸飢餓応答が見られなくなること、および細胞増殖が低下することが分かった。Gcn1 CKOマウスの表現型解析から、タモキシフェン投与後に体重減少が見られ、その後回復することが見出された。一方、コントロールとして用いたGcn1 floxマウスやCre発現マウスでは体重減少が見られなかった。Gcn1 CKOマウスでは肝臓や白色脂肪組織の重量低下が見られ、肝臓の脂質蓄積低下および血糖値低下が認められた。さらに、作製したGcn1 CKOマウスに再度タモキシフェンを投与することにより再び体重減少が見られたことから、Gcn1 CKOマウスの体重減少がGcn1欠失単独の効果ではなく、Gcn1がタモキシフェン毒性に対して保護的に働いていることが示唆された。タモキシフェン毒性としてはエストロゲン受容体への影響のほかにミトコンドリア呼吸の抑制や細胞毒性が知られており、Gcn1 CKOマウスで摂食低下が見られないことから、消化吸収の低下あるいはエネルギー消費の増大が考えられるため、現在追加実験を行い、論文投稿を準備している。
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