2018 Fiscal Year Research-status Report
細胞極性蛋白質複合体による上皮タイトジャンクション形成の制御機構
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18K06934
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鎌倉 幸子 九州大学, 医学研究院, 講師 (80398081)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞極性 / 上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎動物の体は6割以上が上皮細胞で構成され、この細胞が作る圧倒的な面積のシートが体内と体外の環境を隔て、脊椎動物の生命を支えている。上皮細胞は、外界に接するapical膜と体内側に接するbasolateral 膜という 性質の異なる細胞膜ドメインを持ち、機能的にも形態的にも細胞極性を持つ。この2つの膜ドメインを分かつのが タイトジャンクション (tight junction: TJ) であり、TJの形成には、細胞極性の制御に関わる蛋白質複合体「Par-aPKC複合体」(aPKC: atypical protein kinase C) が必要であることがよく知られている。しかしながら、この3者複合体がTJ形成を促進する際の機序については不明な点が多い。申請者は最近、Par-aPKC 複合体に結合する膜貫通型タンパク質 ParTR1を同定し、TJ形成の強力な負の調節因子であることを見出した。本研究は、この新規TJ調節因子ParTR1に対するPar-aPKC 複合体の作用機序、細胞及び個体レベルでのParTR1の機能の解析を軸に、Par-aPKC 複合体によるTJ形成の制御メカニズムを解明する。これまでの実験から、ParTR1とClaudin-1タンパク質が結合することを見出していたが、本年度は、この結合に関わるParTR1のタンパク質領域を明らかにした。また、ParTR1がclaudin-1に加えclaudin-2にも結合することを見出し、Claudin-1及びclaudin-2の各々のホモオリゴマー形成をParTR1が抑制すること等を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の実験計画通りに、順調に研究を進めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
MDCK細胞において 内在性のParTR1がTJに局在することを見出している。ParTR1が機能を発揮するためにもTJへの局在の制御は重要と考えられるが、その機構は未だ不明である。そこで、ParTR1のTJへの局在に必要な領域を同定する。また、ParTR1がPar3やClaudin1などのTJタンパク質と結合することから、これらのタンパク質によりリクルートされる可能性を検討する。Par3 および Claudin1について、CRISPR-Cas9による遺伝子欠失や、siRNAを用いたノックダウンを行い、ParTR1のTJへの局在に対する影響を細胞染色により解析する。
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Research Products
(1 results)