2018 Fiscal Year Research-status Report
新たな代謝相関の提案に向けたELOVL2プロモーター領域DNAメチル化制御の解明
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18K06942
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山本 健 久留米大学, 医学部, 教授 (60274528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 二朗 久留米大学, 医学部, 講師 (10373094)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ELOVL2 / DNAメチル化 / 糖質代謝 / 代謝相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の核心は、ELOVL2の遺伝子発現制御を介して、ドコサヘキサエン酸(DHA)およびエイコサペンタエン酸(EPA)の生合成に糖代謝が関与するのではないか、との問いを解決することである。 本年度は、肝臓がん由来培養細胞HepG2を用い、異なるグルコース濃度下でのELOVL2遺伝子発現の変化を明らかにし、そらに、その発現変化とプロモーター領域DNAメチル化レベルとの関連を検討した。 1)ELOVL2遺伝子発現の変化:HepG2を低濃度グルコースにて一定期間培養後、0mM 、2.6mM、5.6mM、11.2mM、25.6mM のグルコース濃度となるよう培地を調整し、一定期間培養後のELOVL2遺伝子発現を定量PCRにて検討したところ、グルコース濃度に応じた発現の上昇を認めた。 2)ELOVL2遺伝子プロモーター領域DNAメチル化レベルの変化:上記の条件下でゲノムDNAを抽出し、バイサルファイト処理後、パイロシークエンスを用いてメチル化レベルを定量したところ、グルコース濃度に応じたメチル化レベル変化は認めなかった。 以上の結果から、少なくともHepG2細胞においては、ELOVL2遺伝子発現量はグルコース濃度環境の影響を受けること、そしてその遺伝子発現変化には、プロモーター領域DNAメチル化は寄与していないこと、などが明らかとなった。よって、グルコース濃度変化に対するELOVL2遺伝子発現応答のメカニズムを解明するには、シスではなくトランス因子の検討が今後必要となることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養細胞において、糖濃度がELOVL2プロモーターDNAメチル化レベルおよび遺伝子発現レベルにどのような影響を与えるかを明らかにすることが、申請当初の2018年度到達目標の一つであったが、これが達成されたため、おおむね順調に進展したと考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
次の到達目標は、ELOVL2の遺伝子発現レベルに影響を与えるグルコース濃度培養条件下で、RNAを抽出し、RNA-Seqによって網羅的に遺伝子発現データを取得し、これを用いて、DNAメチル化酵素・脱メチル化酵素群、これらをヌクレオソーム上にリクルートするヒストン修飾を担う酵素遺伝子群(ヒストンH3-K9メチル化酵素群など)などに着目して遺伝子発現の動態を解明することである。
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Causes of Carryover |
2018年度は培養細胞実験が主体となったため、RNAseq解析は2019年度に実施することになり、そのための費用が2019年度に繰り越された。
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[Journal Article] Genome-wide meta-analysis identifies multiple novel loci associated with serum uric acid levels in Japanese individuals.2019
Author(s)
Nakatochi M, Kanai M, Nakayama A, Hishida A, Kawamura Y, Ichihara S, Akiyama M, Ikezaki H, Furusyo N, Shimizu S, Yamamoto K, et al.
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Journal Title
Commun Biol.
Volume: 2
Pages: 115
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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