2019 Fiscal Year Research-status Report
新たな代謝相関の提案に向けたELOVL2プロモーター領域DNAメチル化制御の解明
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18K06942
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山本 健 久留米大学, 医学部, 教授 (60274528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 二朗 久留米大学, 医学部, 講師 (10373094)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ELOVL2 / AS-ELOVL2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の核心は、ELOVL2の遺伝子発現制御を介して、ドコサヘキサエン酸(DHA)およびエイコサペンタエン酸(EPA)の生合成に糖代謝が関与する可能性を追求することである。これまでに、少なくともHepG2細胞においては、ELOVL2遺伝子発現量はグルコース濃度の影響を受けること、そしてその遺伝子発現変化には、プロモーター領域DNAメチル化は寄与していないことなどを明らかにした。これらの結果から、グルコース濃度変化に対するELOVL2遺伝子発現応答のメカニズムを解明するには、シスではなくトランス因子の検討が今後必要となることが明らかとなった。 本年度は、あらたに、ELOVL2遺伝子発現に影響を与える可能性のある、新規ノンコーディングRNA、AS-ELOVL2に着目し研究を進めた。AS-ELOVL2は、ゲノム上、ELOVL2遺伝子座の近傍に逆向きに位置しており、一部の領域がELOVL2遺伝子と重なっている。このことから、AS-ELOVL2はELOVL2の転写産物量をアンチセンスとして制御している可能性がある。AS-ELOVL2の機能は全く未知であり、我々は、まず遺伝子発現の臓器特異性の有無を検討し、特に脳神経系に強く発現していることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.グルコース濃度依存性にELOVL2遺伝子発現量が変化することを見出している。 2.ELOVL2遺伝子プロモーター領域のDNAメチレーションレベルがグルコース濃度に影響を受けないことを明らかにした。 3.これまで全く機能が調べられておらず、発現すら確認されていなかった、ELOVL2のアンチセンスとなるノンコーディングRNA、AS-ELOVL2が、神経系に強く発現していることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
ELOVL2の遺伝子発現量をトランスで制御する可能性のあるノンコーディングRNA、AS-ELOVL2の機能を培養細胞レベルで解析し、これと糖代謝との関連において研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
当初計画では動物実験を予定していたが、2020年度に実施することとなったため次年度使用額が発生した。2020年度実施予定の動物実験と合わせ、執行することとしている。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Clinical Features, Molecular Genetics, and Long-Term Outcome in Congenital Chloride Diarrhea: A Nationwide Study in Japan.2019
Author(s)
Konishi KI, Mizuochi T, Yanagi T, Watanabe Y, Ohkubo K, Ohga S, Maruyama H, Takeuchi I, Sekine Y, Masuda K, Kikuchi N, Yotsumoto Y, Ohtsuka Y, Tanaka H, Kudo T, Noguchi A, Fuwa K, Mushiake S, Ida S, Fujishiro J, Yamashita Y, Taguchi T, Yamamoto K
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Journal Title
J Pediatr.
Volume: 214
Pages: 151-157
DOI
Peer Reviewed
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