2018 Fiscal Year Research-status Report
指器官再生を目指した器官誘導能を持つ爪間葉の同定と爪器官再生技術の開発
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18K06944
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
武尾 真 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (50782116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 孝 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (50339131)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 爪器官 / 上皮性幹細胞 / 間葉性幹細胞 / 器官形成 / 再生 / 指 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)胚発生期における器官誘導能を有する爪間葉細胞も同定と分子機構の解明に向け、爪器官発生過程の組織学的解析を行った。この結果、胎齢15日目(ED15)からDE16にかけ、予定爪器官形成領域において、真皮凝集塊の形成が確認された。更に、ED17には真皮凝集塊で裏打ちされた爪上皮が真皮側へと陥入するとともに、成体の爪器官と同様の爪上皮性幹細胞領域マーカーの発現パターンを示すことが明らかとなった。このことから、爪器官はED15からED17にかけて形成され、DE15において形成される真皮凝集塊が器官誘導能をもつ可能性が示された。 2)成体爪間葉性幹細胞の同定と器官誘導メカニズムの解析に向け、器官形成能を維持したまま爪器官由来の上皮細胞および間葉細胞の生体外増幅技術を確立した。この技術を使い、爪器官の存在する指先を基部、中央部、末端部に分け、各領域から取得した間葉細胞と上皮細胞を増幅し、器官原基法に依る機能解析を行った。その結果、爪器官基部から取得した細胞を用いた場合は天然の爪器官と同様の組織学的・生化学的特徴を持った構造が再生されたことから、爪器官基部領域の中胚葉性細胞集団中に器官誘導能を持つ成体爪間葉性細胞が含まれることが明らかとなった。 3)爪組織再生による指器官再生の概念実証に向け、再生爪原基と成体爪器官の移植技術の確立を行った。このため、器官原基法により再生した爪器官原基、または成体マウスから外科的に摘出した爪器官をレシピエントマウス指の第1関節と第2関節の間に移植した。生着を確認したのち移植物の末端側で指を切断したところ、再生爪原基から爪様構造の伸長が確認されたが、長期維持さはれなかった。一方、移植爪器官を移植した場合は、長期間の爪の持続的な伸長が長期間観察されたことから、爪器官移植技術の基盤は確立できたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の年度計画に対し、項目1)は順調に推移しており、平成29年度計画も達成され、さらに研究を進める。項目2)については、成体における器官誘導能を有する間葉性幹細胞の存在領域が特定されたことから、網羅的遺伝子発現プロファイルの解析による幹細胞同定の準備を進めている。また、項目3)に関しては、移植技術が確立したことから、予定通り爪器官移植による指器官再生の可能性について検証を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進については、項目1)と2)については平成29年度の課題が達成できたことから、共同研究なども選択肢に入れ、網羅的遺伝子発現解析と機能解析を進める。項目3)については,爪器官移植後の指再生の可能性を検証するとともに、再生爪原基移植技術の確立を進め、爪器官移植による概念実証をすすめる。
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Research Products
(2 results)