2019 Fiscal Year Research-status Report
腸管神経系と腸管免疫系・腸内フローラの相互作用と疾患発症制御機構
Project/Area Number |
18K06951
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20208523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 明美 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 准教授 (90359597)
藤村 理紗 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助教 (30376363)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腸管神経 / 腸管免疫 / Ncx KOマウス / IL5 / 好酸球 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①腸管神経系が腸管免疫細胞の分化及び機能維持にどのようにかかわっているか ②腸管神経系が腸内細菌叢の確立及び維持にどのようにかかわっているか を明らかにすることを目的としている。そのために腸管神経細胞の増加しているNcx KOマウスを用いて研究を進めている。これまでにNcx KOマウスでは腸管粘膜固有層において好酸球が増加していること、腸管組織においてIL-5の発現が野生型と比較して増加していること、T細胞、ILC2細胞以外の細胞がIL5を産生していること、腸管神経細胞がIL5を産生しうることを明らかにしてきた。本年度はIL-5産生細胞の同定及び好酸球増加とのかかわりについてさらに研究をすすめた。 腸管組織をコラゲナーゼ等を用いてsingle cellとし各種抗体により染色、血球系、非血球系の細胞分画をFACSでsortingしてIL5発現について解析した。血球系ではILC2分画にIL5発現が見られるがT細胞、好酸球では見られないこと、非血球系細胞分画で大量のIL5発現が見られることを確認した。また、IL5発現は6週までのNcx KOマウスでは野生型と同等であるが8週以降ではKOマウスにおいて増加していることが明らかとなった。このことより腸内細菌叢の変化など環境因子によりIL5産生の誘導がKOマウス特異的に起こることが示唆された。 またIL5増加と好酸球増加の関連、IL5産生細胞の証明、好酸球増加の生理的意義をさらに詳細に検討するため、Ncx/IL5ダブル欠損マウス、Ncx/好酸球ダブル欠損マウス、Ncx/ILC2ダブル欠損マウスをCRISPR/Cas9法で作製中であり一部についてはgenotype解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IL5産生細胞及び産生メカニズムについてのデータが蓄積されてきており、また次年度に向けてさらなるエビデンス構築のためのマウスの作製も順調に進んでいる。無菌Ncx KOマウスについては現在作製準備中であり予定よりもやや遅れているが最終年度に向け全体としてはおおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでNcx KOマウス腸管における好酸球増加、IL5増加を見出した。IL5産生細胞としてNcx KOマウス腸管において腸管神経及びILC2が候補として明らかになった。しかしILC2細胞からの産生のみではIL5増加量の説明がつかず他にも大量にIL5を産生する細胞の存在が示唆される。そのため上皮細胞、腸管神経細胞等の可能性を考えそれぞれを単離してIL5産生についてさらに詳細に検討し明らかなエビデンスを提示できるよう研究をすすめる。またNcx KO/ILC2欠損マウス、神経特異的IL5欠損マウス(Ncx KO/Nestin-Cre/IL5 flox/flox)を作製しILC2や腸管神経細胞の貢献についてもさらに詳細に評価する。 またIL5は生後6週令までは野生型と比較して増加がみられず8週以降で増加していることより環境因子の1つとして腸内細菌叢の変化が考えられる。Ncx KOマウスではdysbiosisをきたしていることをすでに明らかにしており、無菌Ncx KOマウスを作製することによりIL5産生、好酸球数、ILC2細胞数などを評価する。
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Causes of Carryover |
当初無菌マウス導入・解析を予定していたが現在導入準備途中の無菌ビニールラックの点検まで終了しておりマウスの導入までは至っていないため予算の一部が次年度使用となった。
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[Journal Article] Splenic NKG2D confers resilience versus susceptibility in mice after chronic social defeat stress: beneficial effects of (R)-ketamine2019
Author(s)
Zhang K, Sakamoto A, Chang L, Qu Y, Wang S, Pu Y, Tan Y, Wang X, Fujita Y, Ishima T, Hatano M, Hashimoto K.
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Journal Title
Eur Arch Psychiatry Clin Neurosci.
Volume: 270
Pages: Epub
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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