2018 Fiscal Year Research-status Report
BRI2/3-ユビキチンリガーゼを標的とする新規認知症治療薬開発のための基盤研究
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18K06959
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
麻生 悌二郎 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (20291289)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知症 / アルツハイマー病 / ユビキチンリガーゼ / BRI2 / BRI3 / NRBP1 / Elongin / Cullin |
Outline of Annual Research Achievements |
1. NRBP1-ユビキチンリガーゼに対する阻害剤探索のための評価系の構築 Large BiT(LgBiT)とSmall BiT(SmBiT)の2つの低分子発光酵素断片の構造的相補性を利用して、生細胞で融合タンパク質間の結合の検出が可能なNanoBiT(Dixon AS. ACS Chem Biol 2016)を用いて、NRBP1とBRI2及びBRI3間の相互作用の評価系を構築した。複数の組合せで融合体を作製して解析を行った結果、LgBiT-NRBP1とSmBiT-BRI3の組合せで有意に高い発光(S/B比が8倍程度)が得られたが、LgBiT-NRBP1とSmBiT-BRI2間では十分な発光が得られなかった。
2. NRBP1-ユビキチンリガーゼ複合体の同定 以前よりNRBP1がホモ二量体化することやTSC22Dファミリー(TSC22DF)と相互作用することが知られていたが、それらの意義については不明であった。今回の解析で、(1) NRBP1がC末領域に存在するLisHモチーフを介してホモ二量体化すること、(2) NRBP1のBC-box配列にオーバーラップして、Cul4のアダプター分子DDB1の結合配列であるH-box配列が存在すること、(3) NRBP1ホモ二量体がCul2とCul4Aのヘテロ二量体形成を橋渡しして、Cul2/Cul4A型のE3複合体を形成すること(基質認識タンパクのホモ二量体と異なる2種類のCullinから成るE3はこれまで報告がない)、(4) NRBP1の二量体化並びにCul2及びCul4Aとの結合の全てがNRBP1-E3によるBRI2、BRI3のユビキチン化に重要であること、(5) TSC22DFの内、TSC22D3とTSC22D4が分子シャペロン様の機能を発揮して、NRBP1の二量体化とCul2及びCul4Aとの会合を促進すること、等を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初はBRI2特異的に働くE3がNRBP1-E3とは別に存在する可能性が示唆されていた。しかし、今回ノックダウン法やdominant negative-Cullin等を用いた詳細な解析を行った結果、NRBP1-E3がBRI2、BRI3両タンパク質のユビキチン化に関与していることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
NanoBiTの系では、NRBP1とBRI2間の相互作用の際に十分な発光強度が得られなかった。これは、HSV-TKプロモーターを持つベクターを用いたために融合体の発現が低いレベルに留まったためと考えられる。そこで今後は、Gaussia luciferaseをCMVプロモーター下で発現させるsplit luciferase complementation assay系を用いて阻害剤の一次スクリーニングに有用な評価系の構築を図ることにした。
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Research Products
(1 results)