2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of membrane repair mechanism
Project/Area Number |
18K06965
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
堀尾 嘉幸 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30181530)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | SIRT1 / 筋ジストロフィー / 細胞膜修復 / 運動 / 骨格筋 / ノックアウトマウス / クレアチンキナーゼ / 筋力 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋特異的にCreを発現するマウスとSIRT1遺伝子のexon 4をloxPで挟んだ遺伝子を持つマウスを交配させてSIRT1を骨格筋で欠損する骨格筋特異的SIRT1ノックアウトマウスを初めて作成した。作成したマウス骨格筋はSIRT1遺伝子のexon 4の欠損とSIRT1の発現抑制が観察された。このマウスは骨格筋の崩壊を示す血液中のクレアチンキナーゼ値が正常マウスに比べて有意に高く、さらに運動負荷により正常マウスに比べてきわめて高いクレアチンキナーゼ値を呈した。また、運動の持続力や筋力が正常マウスに比べて有意に劣っていた。骨格筋組織では筋再生を示す中心核を持った筋繊維が見られた。これらの知見は筋の脆弱性を示し、骨格筋特異的SIRT1ノックアウトマウスは軽度の筋ジストロフィーであることが判明した。SIRT1欠損が筋の脆弱性にどう関連するか調べるため、筋芽細胞C2C12細胞を用いて、細胞膜をレーザーで損傷させて損傷後の膜修復過程を調べる実験系を構築した。SIRT1の阻害薬を作用させた細胞、SIRT1の発現をsiRNAによりノックダウンした細胞いずれも正常な細胞に比べて細胞膜の修復が著しく阻害されることを世界で初めて見出した。また、このSIRT1と膜修復の関連は筋肉細胞へ分化させたC2C12細胞でも観察され、SIRT1が膜修復に必要な分子であることを明らかとした。SIRT1活性化薬であるレスベラトロールを筋ジストロフィー患者11名に6か月間服用する臨床研究を札幌医科大学付属病院で札幌医科大学小児科学講座を中心に共同で行った。レスベラトロールの服用により筋ジストロフィーの運動機能が有意に向上し、一部の筋では筋力の有意な上昇が観察された。さらに一部の患者では血中クレアチンキナーゼの著しい低下が観察された。SIRT1による膜保護を筋ジストロフィー治療に応用できる可能性が示された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Resveratrol improves motor function in patients with muscular dystrophies: an open-label, single-arm, phase IIa study2020
Author(s)
Kawamura Kentaro, Fukumura Shinobu, Nikaido Koki, Tachi Nobutada, Kozuka Naoki, Seino Tsugumi, Hatakeyama Kingya, Mori Mitsuru, Ito M Yoichi, Takami Akiyoshi, Hinotsu Shiro, Kuno Atsushi, Kawasaki Yukihiko, Horio Yoshiyuki , Tsutsumi Hiroyuki
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 10
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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