2018 Fiscal Year Research-status Report
タイト結合分子による腸上皮幹細胞の新規運命決定機構
Project/Area Number |
18K06993
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
田中 瑞子 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (40583638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 英樹 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00295346)
東 智仁 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70515072)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腸上皮幹細胞 / タイト結合 / クローディン / ゲノム編集 / 腸管オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、腸管上皮幹細胞やニッチ細胞の運命決定におけるタイト結合分子の役割を解明することを目的としている。 まず初めに、腸管の幹細胞が存在する陰窩深部に発現しているタイト結合分子を特異抗体を用いた免疫染色により網羅的に検討した。その結果、CLDN2, CLDN3, CLDN4, CLDN7, CLDN15の発現があることが分かった。そのうち、CLDN15はノックアウトマウスの腸が巨大化する表現型を呈することが知られているが、その仕組みについては全くわかっていないので、CLDN15ノックアウト腸管オルガノイドを作成して詳細に解析することを計画した。 まず、CLDN15を高効率でノックアウトできるTALENを設計したが、ES細胞を対象にして検討すると、その切断効率は必ずしも高くなかったため、CRISPR/Cas9を用いることとした。ES細胞に2種類のCRISPR/Cas9を同時に導入することによってCLDN15の翻訳開始領域を含む配列を大きく欠損させる戦略をとったところ、約1/4のクローンがホモ欠損体となった。今後、このCLDN15ノックアウトクローンを用いて腸管オルガノイドを作成し、腸が巨大化する分子機構を解明していく予定である。 また、他のCLDNについても順次、切断効率の高いCRISPR/Cas9の設計を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的通り、腸の幹細胞ニッチにおいて発現しているCLDNの検討を終えて、そのうちで候補となる遺伝子についてノックアウトESを作成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、CLDN15ノックアウトES細胞を分化させて腸管オルガノイドの作成を試みる。また、先天性短腸症候群の原因遺伝子であるタイト結合因子CLMPについても同様の解析を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
当初はオルガノイド作成に用いる培地の添加物を前年度に購入する予定であったが、長時間の保存により劣化する可能性も考え、次年度に購入することとした。次年度使用額は、予定通り添加物の購入に充てる予定である。
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