2018 Fiscal Year Research-status Report
Search for novel biomarkers of heart failure by comprehensive genetic analysis of autopsy heart
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18K07011
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
吉田 誠 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (70637553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 大地 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (30585500)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 病理解剖 / 凍結心筋 / 網羅的遺伝子解析 / 心筋細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では心臓組織を豊富に採取することができる人体病理解剖症例を対象として、心筋のオミックス研究を行っている。具体的には、病理解剖時に凍結保存してきた左室心筋サンプルを用いてRNAシーケンス(RNA-seq)とマイクロRNAマイクロアレイを行っている。心機能正常例の心筋と、心不全症例(心筋症、虚血性心疾患を含む)の心筋を比較し、収縮能の低下に伴って発現が変化する遺伝子やマイクロRNA、疾患特異的な発現異常を示す遺伝子を絞り込む。心機能正常例の心筋と、心不全症例(心筋症、虚血性心疾患を含む)の心筋を比較し、収縮能の低下に伴って発現が変化する遺伝子やマイクロRNA、疾患特異的な発現異常を示す遺伝子を絞り込む。この目的を達成するために対象症例の選定を行い、2014年以降に蓄積してきた病理解剖例の凍結左室心筋サンプルの中から左室収縮能低下症例(約10例)と正常心機能例(約5例)を選定する。次いで各症例の心筋サンプルよりRNA抽出を行い、RNA-sequenceによる網羅的遺伝子発現解析を行う。これらの結果から心機能正常例の心筋と、心不全症例(心筋症、虚血性心疾患を含む)の心筋を比較し、収縮能の低下に伴って発現が変化する遺伝子やマイクロRNA、疾患特異的な発現異常を示す遺伝子を絞り込む。 (1)対象症例の選定;2014年以降に蓄積してきた病理解剖例の凍結左室心筋サンプルの中から、左室収縮能低下症例(約10例)と正常心機能例(約5例)を選定を行った。 (2)RNA-seqによる網羅的遺伝子解析;凍結左室心筋サンプルから抽出したRNAを用いて、RNA-seqによる網羅的遺伝子発現解析を行う予定。RNA抽出量が確保できず、原因を調査。検体採取までの死後時間は比較的良好であると判断した。心筋細胞に含まれるRNAが少ないという固有の問題と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2014年以降に蓄積してきた病理解剖例の凍結左室心筋サンプルの中から左室収縮能低下症例(約10例)と正常心機能例(約5例)を選定した。次いで各症例の心筋サンプルよりRNA抽出を行い、RNA-sequenceによる網羅的遺伝子発現解析を行う段階であるが、RNA抽出において十分量のRNAが採取できないため、遺伝子解析は未施行である。心筋細胞からのRNA抽出は肝臓など細胞成分が豊富な組織と比較すると非常に少ないことが知られている。通常のRNA抽出キットを用いた抽出では十分量のRNAが確保できない事が判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA抽出量が確保できない問題に関して、使用する心筋の組織量を3倍に増やし、RNA回収率の高いキットを用いて抽出を行うなど改善を試みている。RNA抽出量が確保できた後はRNA-sequenceを行い結果の解析を行う予定。心収縮力の低下と相関するDNA発現をリストアップするところまで今年度中に進める。
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Causes of Carryover |
現段階でRNAシークエンスが行われていないため、初年度に行われる予定であったシークエンスが未施行である。そのため外部機関への委託料金が次年度へと繰り越されることになった。
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