2019 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of Integrated Molecular Subtyping Method for Bile Duct Cancer
Project/Area Number |
18K07024
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
福嶋 敬宜 自治医科大学, 医学部, 教授 (40384937)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 肝外胆管癌 / matriptase / PDGF-D / 癌間質 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝外胆道癌の適切な治療戦略や今後の胆道癌研究の基盤となる様な統合分子サブタイピング法の開発を目指して研究を進めている。1年目には、受容体型チロシンキナーゼの一種であるplatelet-derived growth factor-D (PDGF-D)とその作用に必要なmatriptaseについて検討した。その結果,多くの肝外胆管癌細胞および間質でPDGF-Dおよびmatriptaseを発現していた。また、癌間質でmatriptaseが高発現している腫瘍は無再発生存期間(RFS)、全生存期間(OS)ともに不良で、多変量解析でも独立した予後規定因子となることを明らかにした。これらの結果から、2年目には、胆管癌細胞株(TFK-1・KKU-100)と肝星細胞株(TWNT-1)を用いて、共培養下における癌細胞の遊走アッセイとフローサイトメトリー(FCM)を用いたMatriptase発現の解析を行った。胆管癌細胞株を用いた遊走アッセイでは、単培養下と比較して共培養下で癌細胞の遊走能亢進がみられた。また、FCMを用いたMatriptase発現の解析では、単培養下と比較して共培養下において癌細胞での発現亢進が確認された。これらの研究と並行して、組織マイクロアレイ(肝外胆管癌257例)において,S100P, IMP3, Maspin, MUC17, GLUT1, S100A4, CD10 などについて免疫組織化学染色を行ったところ、感度,正診率では,S100P(各88.3%, 88.4%),IMP3(同79.8%, 77.6%)と比較的良好な成績を示したが,特異度はS100Pで90%,IMP3は50%であった。一方,p53, S100A4, Maspinは,感度は50%未満と低かったが,特異度は100%であり,症例によっては診断に有用と考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、platelet-derived growth factor-D (PDGF-D)とmatriptaseについて、癌細胞や癌間質組織置ける発現と臨床予後との関連を明らかにし、さらに胆管癌細胞株(TFK-1・KKU-100)と肝星細胞株(TWNT-1)を用いて、共培養下における癌細胞の遊走アッセイとフローサイトメトリー(FCM)を用いたMatriptase発現の解析まで行い、免疫組織化学の結果をある程度裏付けることができた、また、現在までに10種類の分子について肝外胆管癌での発現を調べてきており、今後も候補分子の検討の道筋がついていると考えられる。 以上よりおおむね順調に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回の課題研究中に構築した肝外胆管癌の組織マイクロアレイを、さらなる候補分子のスクリーニングに使用したいと考えている。これにより重要分子の絞り込みを行い、診断や予後予測と関連した分子プロファイリングを目指す。また、それらの候補分子の肝外胆管癌の発育進展のおける意義もこれまでに用いた培養細胞や方法を用いて明らかにしていく予定である。
|
Causes of Carryover |
免疫染色用の抗体について他からの流用などで予定ほど購入の必要なかった。 3年目は、新たな候補分子についての抗体購入と機能解析用の試薬、共培養用の物品などが必要であり、それに使用させていただく予定である。
|
Research Products
(4 results)