2021 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of the PKM2 function and the regulation mechanism among its related factors in the oral malignant tumor
Project/Area Number |
18K07033
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
橋本 修一 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (00243931)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PKM2 / EMT / TGIF2 / OSCC / Warburg effect |
Outline of Annual Research Achievements |
解糖酵素の一つであるPKM2はWarburg効果として知られる癌進展に対するエネルギー産生をもたらす代謝機能として働く。本研究において、我々は、PKM2がヒト口腔扁平上皮癌(OSCC)において癌浸潤に極めて重要な上皮間葉転換(EMT)およびTGIF2の翻訳後分解を介して癌細胞の進展を増強する非代謝的機能としても働くという極めて重要な役割を持つことを示した。ヒトOSCC標本における免疫組織化学的解析からPKM2は浸潤癌細胞の細胞質に強い発現がみられ、EMTに特徴的紡錘形態を呈する癌細胞では核に顕著な発現がみられた。TGIF2は異形成上皮細胞では核に発現がみられたが、癌細胞においては発現が抑制されていた。ヒトOSCC由来であるHSC-4およびSAS細胞における解析では、EMTを刺激誘導するとPKM2の細胞質内発現が核内発現へと移行した。また、TGIF2核内タンパク発現はEMT誘導されたHSC-4およびSAS細胞においては顕著に抑制されたが、組織分化度別のRNAscope解析およびEMT非誘導-誘導癌細胞間のRT-qPCR解析の両者においてTGIF2のmRNA発現はEMT誘導癌細胞においても維持されていることが確認され、TGIF2のタンパク発現とmRNA発現の間に不一致がみられた。この不一致は、MG132プロテアソーム抑制解析により、TGIF2発現タンパクがユビキチン-プロテアソーム系を介して翻訳後に分解されることによることを明らかにした。最後に、PKM2-siRNAによるノックダウン解析よりPKM2がHSC-4およびSAS細胞の進展を促進していることが確認された。 以上、我々は、OSCCにおいてPKM2が核内移行することで、EMTを誘導し、また、ユビキチン-プロテアソーム系を介するTGIF2の翻訳後発現抑制を介してOSCCの進展を促進するPKM2の非代謝的機能を明らかにした。
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Research Products
(4 results)