2020 Fiscal Year Research-status Report
Exploration of the pathogenicity of human intestinal spirochetosis
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18K07034
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
緒方 衝 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 臨床検査医学, 准教授 (00531435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 邦昭 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 検査部, 教授 (60523115) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヒト腸管スピロヘータ症 / 免疫組織化学 / ブラキスピラ / 好酸球 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト腸管スピロヘータ症(HIS)の病態解析の解析を進めた。原因細菌であるブラキスピラの粘膜侵入経路の検討では、HIS症例の手術材料を用いた検討で、ヘマトキシリンエオシン染色で認識できる粘膜表層上皮部分以外にも粘膜にみられるリンパ濾胞や大腸壁外のリンパ節中にも免疫組織化学的に抗体陽性物質の出現がみられたことをVirchows Archiv誌(2020 Jul;477:57-63)に発表した。これらの所見からブラキスピラは表層上皮間ないしは杯細胞部分を粘膜侵入経路として粘膜固有層に浸潤し、基本的に粘膜固有層に留まるものの、その抗原の一部はリンパ系を介して所属リンパ節へと輸送されている可能性が示唆された。またこの過程で、侵入するブラキスピラのほとんどが表層上皮直下に存在するマクロファージに貪食される像がみられ、この過程から抗原提示、抗体作成へとつながっている可能性も考えられた。また、HISの生検検体で炎症性粘膜と評価された材料を用いて、粘膜固有層での好酸球・好中球・マスト細胞、上皮層での好酸球と好中球の出現を評価したところ、好酸球浸潤が目立ってみられた。いわゆるフリンジ形成の程度、上皮層内へのブラキスピラ侵入、陰窩粘液中のブラキスピラの存在の程度との間に、上皮層内の好酸球・好中球が一部関連が認められた。この結果は、日本病理学会総会で発表した。特に好酸球についてはHISへの粘膜でみられる中心的な炎症細胞の一つと考えられ、これを日本臨床検査医学会、北米病理学会(USCAP2021)で発表した。その内容をまとめ、現在英文誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染症の国内外の蔓延に伴い、研究時間の相対的減少、研究調整のずれ込みなど影響を受け、当初は当該年度で終了の予定であったが、論文の投稿までの状態であり、査読状況によっては追加検討の必要もあるため、1年間の延長申請を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在投稿中の論文の受理を持って、当該研究の終了としたいが、関連内容の学会発表等の機会があればさらなる発展の萌芽としたい。
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Causes of Carryover |
現在は論文投稿中であり、論文への支弁や関連学会への参加、追加実験の可能性もあるため、次年度使用を予定している。
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