• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Research-status Report

高悪性度悪性腫瘍に対する新規治療戦略の開発

Research Project

Project/Area Number 18K07040
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

北川 昌伸  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10177834)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsアポトーシス / 悪性腫瘍の治療 / MCM2 / DNA損傷
Outline of Annual Research Achievements

レトロウイルス感染に伴って起こるさまざまな宿主細胞反応について解析を行う中でウイルス感染に対して低線量放射線照射による宿主の免疫賦活化治療モデルを作製していたところ、偶然にもウイルス感染に伴う著明な apoptosis 増強作用を見出した。これは全く予想されない発見だったが、宿主/ウイルス相互反応の中からヒト疾患、特に腫瘍の病態改善につながる細胞反応を抽出できる可能性があると考えられた。ノックアウトマウスを用いた検討などから、通常とは全く異なる新たな経路で p53 依存性アポトーシスシグナルが増強されていることが明らかになった。またin vitro の実験系を用いてこの現象の機序を徹底解明したところ、新たな apoptosis 誘導経路に関わる MCM2(minochromosome maintenance protein 2) の作用機構の全貌を解明することができた。
悪性腫瘍の中には高悪性度、予後不良といわれる型のものがある。例えば乳癌 では Triple negative(TN)型(ER陰性、PgR陰性、HER2陰性)の浸潤癌は、ホルモン治療やハーセプチン治療が無効で、化学療法の有効性も低いため、非常に予後が悪いことが知られている。また、膵浸潤性膵管癌や卵巣明細胞癌も予後の悪い型の腫瘍である。このような腫瘍に高発現する分子の一つとしてMCM2に注目した。我々はこれまで、マウスを用いた実験によりMCM2 を介した apoptosis 増強作用の機序を解明してきた。そこで、本研究では、MCM2 を標的としたヒト腫瘍への apoptosis 誘導法を開発し、悪性度の高い腫瘍の新たな治療法を確立することを目的として解析を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究ではまずMCM2発現の高い悪性腫瘍細胞株を用いたin vitroの実験系でこの現象を再現し、新たなアポトーシス誘導経路に関わるMCM2の作用を明らかにするとともに、それを応用した治療モデルの作成を目的として研究を進めた。具体的にはリコンビナント蛋白としてgp70を細胞内に導入する手法を開発し、白血病細胞及び上皮性の固型腫瘍細胞においてMCM2の作用を応用したアポトーシス誘導実験系を構築した。In vitroでの実験ではほぼ予想通りの結果が得られたので、さらにin vivoの腫瘍に対する治療実験を行って有効性を検証した。その結果、白血病のみならず固型腫瘍に対しても非常に良好な結果が得られた。

Strategy for Future Research Activity

本研究では、卵巣明細胞癌でMCM2 の細胞質内局在を認めた例のMCM2分子について解析を進め、遺伝子変異や欠失の有無、核移行シグナルへの蛋白修飾等について新たな知見を得る。また、MCM2発現の高いヒト悪性腫瘍細胞株を用いたin vitroの実験系で核移行シグナルを修飾することでこの現象を再現し、新たな apoptosis 誘導経路に関わるヒトでの MCM2 の作用を明らかにするとともに、それを応用した治療モデルの作製を目的として実験を行う。具体的には卵巣癌細胞株(OVTOKO、OVISE)に核移行シグナルを欠如するMCM2-変異体を導入する実験系、細胞内抗体の作用を応用したMCM2 核移行シグナルの修飾を行う。細胞内抗体については、マウス細胞系で成功しており、ヒト細胞での応用を目指す。in vitro での確認ができたら、in vivo の腫瘍に対する治療実験を行い、その有効性を検証する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2019 2018

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Subcellular localization of MCM2 protein correlates with the prognosis of clear cell carcinoma of the ovary.2019

    • Author(s)
      Aihemaiti G, Kurata M, Nogawa D, Yamamoto A, Mineo T, Onishi I, Kinowaki Y, Jin X, Miyasaka N, Kitagawa M, YamamotoK.
    • Journal Title

      Oncotarget

      Volume: in press Pages: in press

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] CRISPR/Cas9 library screening for drug target discovery.2018

    • Author(s)
      Kurata M, Yamamoto K, Branden M, Kitagawa M, Largaesapda D.
    • Journal Title

      J Hum Genetics

      Volume: 63 Pages: 179-186

    • DOI

      10.1038/s10038-017-0376-9

  • [Journal Article] Glutathione peroxidase 4 overexpression inhibits ROS-induced cell death in diffuse large B-cell lymphoma.2018

    • Author(s)
      Kinowaki Y, Kurata M, Ishibashi S, Ikeda M, Yamamoto M, Miura O, Kitagawa M, Yamamoto K.
    • Journal Title

      Lab Invest

      Volume: 98 Pages: 609-619

    • DOI

      10.1038/s41374-017-0008-1

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi