2018 Fiscal Year Research-status Report
臓器線維症と癌関連線維化におけるアクリン結合蛋白Girdinの役割
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18K07042
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅井 直也 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80273233)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 線維化症 / 強皮症 / 遺伝子改変動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) Girdin変異マウスにおける、臓器線維化モデル Girdinはリン酸化修飾によって機能が制御される。本研究ではAktによるリン酸化部位S1416変異マウスGirdin S1416Aと、EGFRとSrcによるリン酸化部位Y1764とY1798の重複変異マウス Girdin Y1764/1798Fを用いた解析を予定している。当年度は、皮膚線維化・強皮症モデル実験としてブレオマイシン皮下注射による皮膚線維化の実験を行った。Girdin変異マウスの遺伝的背景がC57B/6Jであるため、野生型マウスC57B/6Jを用いて予備実験を行ったところ、ブレオマイシン投与群での皮膚線維化が観察されたが、線維化の程度は予想より軽度であった。文献的に調べたところ、マウス系統により線維化の反応性に差があり、C57B/6Jは線維化反応が弱い系統であった。今後の実験では、線維化反応が強い系統であるC3H背景の変異マウスが有用と考えられ、バッククロスによるマウス系統のコントロールを開始した。 2) Meflin変異マウスにおける皮膚線維化 当研究では間葉系幹細胞のマーカーであるMeflin遺伝子座へのCreERT2ノックンマウスを用いたlineagen trace実験を計画している。実験ではMeflin遺伝子そのもののが線維化に関係している可能性を考慮する必要があるため、Meflin-CreERT2変異マウスのヘテロ・ホモの皮膚組織を調べた。意外なことに、Meflin遺伝子が両アレルで欠損しているホモにおいて、生後8週齢マウスで線維化が生じていた。線維化の程度はブレオマイシン皮下注射による皮膚線維化と同程度であり、今後、Meflin変異マウスが皮膚線維化モデルマウスとして使えるかについて検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Girdin変異マウスについて、皮膚線維化モデルの実験系を立ち上げることができた。また、Meflin変異マウスに、今までに報告されていない皮膚線維化の表現型があることを見出すことができ、本研究への応用が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
Girdin変異マウスにおいて、線維化の反応性が強いマウス系統であるC3Hへのバッククロスによる遺伝的背景コントロールを進める。 皮膚線維化の実験を進める。ブレオマイシンの皮下注射の実験系とともに、Meflin遺伝子ノックアウトによる皮膚線維化の実験系も試み、両者を比較するとともに、Girdin変異が線維化に与える効果について調べる。 他種の線維化実験の実験を進める。ブレオマイシンの気管支注入による肺線維化、四塩化炭素腹腔内投与による肝臓線維化、癌間質線維化などを行う。 間葉系幹細胞マーカーであるMeflin遺伝子に着目したlineage trace 実験のための、変異マウスの交配を進める。
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Research Products
(1 results)