2018 Fiscal Year Research-status Report
疾患特異的iPS細胞のゲノム編集・アクチン再構成による遺伝性脳小血管病の治療開発
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18K07058
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
山本 由美 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 研修生 (10614927)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | CADASIL / 脳小血管病 / NOTCH3 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度には、われわれの in vitro CADASIL病態モデルの病態再現性についてさらに詳しく検証を行った。CADASIL壁細胞では、Notch3細胞外ドメイン(NECD)の凝集が観察されたが、LTBP-1やHTRA1といった、CADASIL特異的なGranular osmiophilic material(GOM)の構成成分とも共局在することがわかった。興味深いことに、LTBP-1の凝集体はNECDを含まないことも多かったが、CADASILのHTRA1の凝集体はほぼ必ずNECDを含んでいた。一方で、LTBP-1とHTRA1はNotch3細胞内ドメイン(NICD)とは共局在せず、GOM様の凝集体を世界で初めてin vitroで再現できたと言える。GOMの構成成分、形成メカニズムや病原性については、未だにわかっておらず、我々のモデルで再現ができたことは、重要な意義がある。 治療薬の選定については、アクチン代謝に関係する薬剤のスクリーニングを行ったが、アクチン骨格の異常には有意な効果は認められなかった。PDGFRbやNotch3のノックダウンでは遊走能の異常が改善されたことから、上流のシグナル経路をターゲットとした治療法を今後検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々のin vitroモデルの病態の再現度の高さを再確認し、これまでとは別の病態メカニズム解明のためにも有効である可能性が示された。また、いくつかの候補薬剤については、効果がないことが確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
核酸医薬および抗体医薬などによる治療効果について、さらに検証を進めていく。評価法は主に遊走能の異常とG-/F-アクチン比による評価を予定しているが、有効性が示唆された場合は、これまでにモデルで再現が確認されたそのほかの病態についても評価を行う。
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