2018 Fiscal Year Research-status Report
Cell therapy for Pompe disease using iPSC-derived muscle stem cells
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18K07067
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
櫻井 英俊 京都大学, iPS細胞研究所, 准教授 (80528745)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞移植治療 / トランスジェニックiPS細胞 / ポンぺ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまずポンぺ病モデルマウスであるGAA-KOマウスを免疫不全化するために、重度免疫不全マウスであるNSGマウスとかけ合わせ、両方のヘテロマウスを得た後にヘテロマウス同士を掛け合わせて、NSGバックグラウンドをもつGAA-KO/NSGマウスの作出を進めた。ヘテロマウス個体を得るところまでは順調であったが、ヘテロ同士のかけ合わせでNSGバックグラウンドになるマウスがなかなか得られず、目標とするGAA-KO/NSGマウスの♂、♀を得たのは2018年12月までずれ込んでしまい、そのかけ合わせでの繁殖を進めるところで本年度が終わってしまった。予定していたコントロールiPS細胞由来骨格筋幹細胞の移植実験は来年度に実施する。 同時にGAA恒常発現ベクターについての検証を進めた。必要とされるものは移植後にも安定して生体内で蛋白発現を続けることができるベクターである。そのため生体内でもサイレンシングを受けないプロモーターを選択する必要がある。今年度はCAGプロモーターとEF1aプロモーターを使ってmCharryを強制発現させるコンストラクトを作製し、コントロールiPS細胞のAAVS1領域にゲノム編集により挿入し、それぞれの安定発現株をFACSにて選別した後に骨格筋幹細胞へと分化誘導し、まず骨格筋幹細胞でのmCherry発現レベルを比較した。結果としてはCAGプロモーターは未分化iPS細胞時点とほぼ同程度の高いmCharry発現レベルを認めたが、EF1aプロモーターでは分化後に発現がやや低下していた。またそれらの骨格筋幹細胞をNSGマウスの筋損傷モデルに移植し、4週間後の骨格筋内でのmCharry発現を蛍光実体顕微鏡にて観察したところ、やはりCAGプロモーターに組み込んだ方が高い発現レベルであることが分かり、GAAの発現についてもCAGプロモーターを使用する方針に決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデルマウスの作出にあたり、かけ合わせによる免疫不全化が思ったように進行せず、移植実験に使用できるまでのマウス個体が準備できなかった。一方でGAA強制発現コンストラクトの作製は順調に進んでおり、免疫不全ポンぺ病モデルマウスが十分量作出できれば、研究はスムーズに進行できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
予定してたコントロールiPS細胞由来骨格筋幹細胞の移植実験を2019年度の前半で進め、病理学的な改善効果が得られれば、2019年度の後半でGAA恒常発現iPS細胞由来骨格筋幹細胞の移植実験を開始する。また運動機能評価のベースラインデータの取得も2019年度に進めておき、2020年度の実験にスムーズに移行できるよう準備を進める。
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