2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of new antimalarial trandermal agent
Project/Area Number |
18K07086
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金 惠淑 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (70314664)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 抗マラリア / 非経口製剤 / 軟膏製剤 / マラリア治療 / マラリア予防 / 過酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 種々の溶媒と基剤を用いてN-89及びN-251経皮吸収型製剤(軟こう型外用製剤)を調製し、ネズミマラリア原虫感染マラリアモデルにおいてその抗マラリア効果を評価した。検討条件の結果、マウス1匹当り6~8cm2の塗布面積、塗布基剤は両親媒性のpolyethyleneglycol (PEG) 400とPEG 4000を8:1の割合で混合したものを使用し、全量100 mg の塗布で薬効解析が可能であった。この条件を用い、ネズミマラリア原虫感染マウスに2回/日×4日間の連続塗布を行なった結果、マラリア感染マウスはすべて完治した。塗布面積は6cm2 と8cm2 の両方で完治でき、また、塗布期間は3日、あるいは4日間の塗布で完治する結果を得た。従来のワセリンの代わりに分子量の異なる両親媒性のPEGを用いる事で塗布量を1/3に軽減させる事が出来、また、体内動態解析でもPEG 混合基剤を用いる事で過酸化物の血中濃度が10~100ng/ml の範囲で維持する結果を得た。この結果は従来の基剤と比較して血中濃度が低濃度で維持する事から過酸化物の蓄積による副作用の問題は回避できると考えられる。 2. 塗布量の最適化のために、PEGの代わりに他の基剤の検討を行った。脂肪酸をメインにして塗布可能な固さを保つために高分子のPEG4000との混合基剤を試みた。その結果、脂肪酸とPEG4000 (1:1)の混合基剤で塗布可能な固さと塗布量の軽減できる基剤を見出した(PEG 基剤と比較して1/4~1/3まで軽減可能)。ネズミマラリア原虫感染マウスに対する抗マラリア薬効が脂肪酸基剤でも影響される事無く維持される事が判った(特許出願のため,詳細は次年度の報告書に記載予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究当初の計画通りに順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 脂肪酸とPEG基剤の体内動態解析に関連する測定法を検討する。従来の過酸化物の測定法はPEGでは問題ないことを確認している。今後、脂肪酸基剤でも過酸化物の測定ができる様に測定のパラメーター検討すると共に、決定した測定法を用いた脂肪酸基剤による過酸化物の体内動態解析を行なう。 2. 脂肪酸基剤を用いた抗マラリア薬効の詳細を検討する。昨年度まで抗マラリア薬効を示すことは判ったが、脂肪酸がマラリアの生死に関わるかどうかを明らかにする事で脂肪酸基剤の特徴付けを明確にする。 3. PEG基剤、脂肪酸基剤等を用いた過酸化物のマラリアに対する予防効果を検討する。もし、予防効果が得られる場合は予防効果に関連する最適条件を明らかにする。 4. 過酸化物の膜透過性に関する測定方法を検討する。従来の膜透過性試験法では過酸化物の検出が難しいことが判っているので、試験方法を改良して行なうことで過酸化物の膜透過能を明らかにする。
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