2018 Fiscal Year Research-status Report
Visualization of niche where maintains memory B cells in merozoites infection
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18K07091
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
岸本 英博 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80251213)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | GFPメロゾイド / MSP-1 / 記憶B細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マウス赤血球型マラリア感染時における記憶B細胞の生存維持の場の可視化とそのサブセットの同定を目的としています。私たちは、IFNgammaを産生する細胞が蛍光タンパク質であるVENUS(GFPの改良型)を発現するように設計されたマウスに赤血球型マラリアを感染させる実験系により、1.赤血球型マラリアに対する免疫応答が主に脾臓で起きていること、2.リンパ節や骨髄では免疫応答はほとんど起きていないという結果を得ました。また一度感染し回復したマウスでは、二度目の感染に対して中和抗体の産生を伴う強い免疫記憶が誘導されることも知られています。そこで本研究では、MSP-1、2やPfEMP1等の抗原性の強いマラリア抗原を蛍光色素で標識し、記憶B細胞がどこに維持され、どのサブセットが赤血球型マラリア感染防御に主に働いているかを同定することを目的としました。本年度は、群馬大学大学院医学系研究科生体防御学講座よりGFP蛍光タンパク質とチキンのアルブミン(OVA)人工染色体として導入した赤血球型マウスマラリアを譲渡していただき赤血球型マラリアをマウスの生体内で可視化する系を立ち上げました。この系により赤血球型マラリア(抗原)がどの組織に最後まで残存しているかを認識することが可能になります。またOVAを発現していることからOVA特異的なT細胞の動体と抗体の産生を赤血球型マウスマラリアに対する免疫応答と並行して確認することが可能になります。さらに赤血球型マラリアに対する抗体を検出するためのプローブとしてワクチン効果が報告されているMSP-1とAMA-1に注目し抗原として選択しました。P.yoeliiからPCR法を用いて抗原遺伝子をクローニングし、組み替えタンパク質として精製を始めました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、群馬大学大学院医学系研究科生体防御学講座よりGFP蛍光タンパク質とチキンのアルブミン(OVA)人工染色体として導入した赤血球型マウスマラリアを譲渡していただき赤血球型マラリアをマウスの生体内で可視化する系を立ち上げました。この系により赤血球型マラリア(抗原)がどの組織に最後まで残存しているかを認識することが可能になります。またOVAを発現していることからOVA特異的なT細胞の動体と抗体の産生を赤血球型マウスマラリアに対する免疫応答と並行して確認することが可能になります。OVA特異的なT細胞レセプターを持つTCRトランスジェニックマイスとIFNgammaを産生する細胞が蛍光タンパク質であるVENUS(GFPの改良型)を発現するように設計されたマウスを掛け合わせました。このマウスのT細胞は免疫応答により傾向を発しマウスの生体内でその場所を可視化することが可能です。さらに赤血球型マラリアに対する抗体を検出するためのプローブとしてワクチン効果が報告されているMSP-1とAMA-1に注目し抗原として選択しました。P.yoeliiからPCR法を用いて抗原遺伝子をクローニングし、組み替えタンパク質として精製を始めました。精製抗原に蛍光色素をカップリングすることにより、直接、抗原に結合する受容体を持つB細胞を可視化することが可能になります。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、マウス赤血球型マラリア感染時において誘導される記憶B細胞が;(1)どこで維持されているのか?(2)どのようなサブセットであるか?(3)赤血球型マラリア抗原特異的な記憶B細胞を検出・抽出するシステムの開発を試みることです。私たちの過去の研究成果では、1.マウス赤血球型マラリアに対する免疫応答が主に脾臓で起きていること、2.T細胞による免疫応答のピークが感染後2~3週間であること、3.記憶T細胞は、中枢性記憶T細胞の表現系を持つことが示唆されています。免疫記憶による二次応答は、記憶T細胞と記憶B細胞の細胞間の相互作用が必須であることが知られていることから、主な赤血球型マラリアに対する免疫記憶は脾臓で維持されていると期待されますが、ほかの抗原を用いた研究では、骨髄が主な記憶B細胞の存在場所とされている。同じように長期生存型プラズマ細胞は、教科書的にも骨髄で維持されていると記載されています。次年度は、赤血球型マラリア抗原特異的な記憶B細胞を検出・抽出するシステムの開発を続行します。マウス赤血球型マラリア感染では、感染後に中和抗体の産生を伴う強い免疫記憶が誘導されることが明らかになっており、その中和抗体の抗原に対する親和力は非常に高いことが知られている。本研究では、抗原性の強いマラリア抗原MSP-1とAMA-1を蛍光色素で標識し、親和力の非常に高い中和抗体を産生する記憶B細胞がどこに維持され、どのサブセットが赤血球型マラリア感染防御に主に働いているかを同定します。また、どこで維持されているのか? どのようなサブセットであるか?という問いに対しては、赤血球型マラリア感染が収束した時点(40日~)で、どの組織・臓器に記憶B細胞の表現系を持つ細胞が増加しているかをフローサイトメトリー、免疫組織染色法を用いて解析します。
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