2018 Fiscal Year Research-status Report
細菌を認識する細胞内糖鎖センサーによるゼノファジー誘導機構の解明
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18K07109
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野澤 孝志 京都大学, 医学研究科, 助教 (10598858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相川 知宏 京都大学, 医学研究科, 助教 (70725499)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ガレクチン / FBXO2 / ゼノファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
細菌菌体表層の糖鎖分子を認識する糖鎖センサーを同定し、細胞内糖鎖センサーゼノファジーを誘導する分子メカニズムを解明するため、当該年度においては、細胞内レクチンに着目し、スクリーニングを行った。その結果、細胞内レクチンの一つであるGalectin3が細胞質に侵入したA群レンサ球菌へリクルートすることを見出した。そこでGalectin 3をノックアウトした細胞を構築し、オートファジーを解析した結果、Galectin 3はオートファジー誘導制御因子であるTBK1の活性化に関与することが示唆された。 一方、A群レンサ球菌をユビキチン標識するE3リガーゼの探索を行った結果、FBXO2を含むSCFユビキチンリガーゼ複合体がA群レンサ球菌にリクルートすることが明らかとなった。また、A群レンサ球菌の表層糖鎖の生合成に関わる遺伝子欠損株へのFBXO2のリクルートが減弱したこと、FBXO2の糖鎖認識部位に変異を入れることでA群レンサ球菌への局在化が消失したことなどから、FBXO2はA群レンサ球菌の表層糖鎖を標的として菌を認識していることが示唆された。さらに、FBXO2をノックアウトした細胞では、A群レンサ球菌へのユビキチン標識やオートファゴソーム形成が減少したことから、FBXO2はA群レンサ球菌に対するユビキチン化ならびにオートファジーに関与することが示唆された。これらの結果は、A群レンサ球菌に特徴的な成分を認識することでオートファジーを誘導していることを示しており、生体防御の観点からも重要な知見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に予定していた細胞内レクチンとE3リガーゼの探索に成功し、これらの機能解析まで進展しているため。 また、細胞内レクチンの下流分子の同定にも成功しており、概ね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今回明らかとなった新規制御因子について、相互関連性を検証するとともに、TBK1の活性化に関わる分子の同定を進めていくことで、菌種特異的なゼノファジー誘導の解明を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)