2018 Fiscal Year Research-status Report
鶏卵での増殖過程に抗原性が変化しないインフルエンザウイルスの作出とワクチン応用
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18K07139
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 晋弥 東京大学, 医科学研究所, 助教 (90466839)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インフルエンザ |
Outline of Annual Research Achievements |
ノイラミニダーゼ(NA)の変異により、ヘナグルチニン(HA)の変異なしに鶏卵で効率よく増殖するようになった2003年分離H3N2ウイルスにおいて、どのNA変異が重要であるのかの特定を行った。その結果、2003年分離株では、NAにおける3つのアミノ酸変異が、HAに変異を生じることなく鶏卵で効率よく増殖することに重要であることが明らかになった。 次に、近年の流行株において、NAの変異により、HAに変異を生じることなく鶏卵で効率よく増殖するウイルスを作出するために、2017/18シーズンの流行株3株について、発育鶏卵での継代(羊膜腔継代→漿尿膜腔継代)を試みた。しかしながら、いずれも継代初期にHAに変異が生じ、近年の流行株において、目的のウイルスを得ることはできなかった。 そこで、2003年分離NA変異ウイルスの結果を応用し、NAにランダム変異を導入することで、近年の流行株においても、HAに変異を生じることなく鶏卵で効率よく増殖するウイルスの作出に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に示した、「II.Y2017羊膜/漿尿膜継代株の重要なNA変異を特定し、ワクチン株や流行株に応用する。」について、目標を達成しており、おおむね順調に進展しているという評価に至った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、NA変異による、ウイルスのレセプター結合性やNAのシアリダーゼ活性への影響を解析し、NAの変異が鶏卵での効率の良い増殖に関与するメカニズムを明らかにすることことで、より安定してHAに変異を生じることなく鶏卵で効率よく増殖するウイルスを作出できるように試みる。
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Research Products
(1 results)