2020 Fiscal Year Annual Research Report
Applications of entirely plasmid-based reverse genetics system on rotavirus research
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18K07150
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
河本 聡志 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (60367711)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ロタウイルス / リバースジェネティクス / 11-プラスミドシステム / 腸管指向性ウイルスベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
任意のロタウイルスを人工合成することは、ウイルスの感染増殖や病原性発現のメカニズムの解明といった基礎研究のみならず、安全性に優れた次世代ワクチンや腸管指向性ウイルスベクターの開発にも繋がる。私たちは最近、ロタウイルスゲノムをコードするプラスミドのみから、簡便にしかもきわめて効率良く動物(サル)ロタウイルスを人工合成する技術(J Virol 92, 2018)に引き続き、増殖能がきわめて低いヒトロタウイルスを人工合成できる技術の開発にも、世界に先駆けて成功している(J Virol 93, 2019)(11-プラスミドシステム)。 今年度の研究成果として、11-プラスミドシステムを用いて、複数の外来遺伝子の同時発現を可能とする組換えロタウイルスの作製に成功した(J Gen Virol 102, 2021)。はじめに、これまでに報告のない大きなサイズの外来遺伝子のロタウイルスゲノムへの挿入を可能とするため、セグメント5(NSP1をコード)の大部分を欠失させて(両末端222塩基のみの構造)、代わりにNanoLuc luciferase(Nluc)遺伝子を挿入した組換えロタウイルスの作製を試みた。作製した感染性ウイルスは感染細胞で安定にNlucを発現しており、このセグメント5のプラットフォームはロタウイルス複製にとって十分であることが示された。次に、Nluc-EGFP-mCherryという、3つのレポーター遺伝子をブタテスコウイルスの2Aペプチド配列で繋げた構造の外来遺伝子をセグメント5に挿入させた組換えロタウイルスの作製にも成功した。この感染性ウイルスは感染細胞で安定にNluc、EGFP、mCherryという3つものレポーター遺伝子を同時発現しており、ロタウイルスゲノムから複数の完全長の外来遺伝子を同時発現させることが可能であることを示した。
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Research Products
(3 results)