2019 Fiscal Year Research-status Report
AI-supported studies of RNA viruses
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18K07151
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
和田 健之介 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (90231026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池村 淑道 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 客員教授 (50025475)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 新型コロナウイルス / COVID-19 / エボラウイルス / 新興感染症 / RNAウイルス / AI / 人工知能 / ビッグデータ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
新興感染症RNAウイルスについて、非ヒト宿主からヒト集団へと侵入後にウイルスゲノム配列で起きる、時系列的に方向性のある変化を、AIを中心としたビッグデータ解析手法で研究を続けている。この時系列的に方向性のある変化を生む要因は、宿主細胞への適応過程と想定されているので、ウイルスゲノムと宿主ヒトゲノム側の両面から平行して解析を進めた。申請書でも説明したように、ウイルスの増殖に宿主側miRNAの関与が想定されるので、宿主側については、非タンパク質領域を中心に、オリゴヌクレオチド頻度に着目したAI(BLSOM)を用いた解析を行ったところ、非タンパク質コード領域内に、転写因子結合配列が集中して存在するMbレベルの巨大構造を見出した。ウイルス増殖との関係は不明ではあるが、このAI解析で得られた研究成果は、新規性のある重要な知見であることから、この部分をまとめた論文を発表した ウイルスゲノム側の解析であるが、RNAウイルスである新型コロナウイルスが世界的に大流行を開始し、社会的な重要性から、多数のゲノム配列がデータベースから公開されている。新型コロナウイルスと、以前に西アフリカで流行したエボラウイルスとを比較しながらオリゴヌクレオチド頻度解析を進めている。新型コロナウイルスも、エボラウイルスと同様に、月単位でも検出可能な方向性のある変化をしていた。宿主細胞への適応過程と考えられる。PCRプライマーや核酸医薬で重要になる20-mer程度の長いオリゴヌクレオチドの出現頻度の時系列解析により、ヒト細胞での能率的な増殖やヒト- ヒト感染率を上げると考えられる、ウイルスにとって有利な変異を特定できることを見い出した。この成果については、現在論文を投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請書にも記載したが、本科研費の実施期間内に、RNAウイルスによる新興感染症が流行を開始した場合には、その新RNAウイルスも研究対象に含めることを計画していた。正に、予想のように、新型コロナウイルスが世界的な大流行を引き起こした。その社会的な重要性から、3月に分離された株ついては、1日平均でも200株ものウイルスゲノム配列がデータベースから公開されている。このようにデータが急拡大している新分野では、我々が開発して来たAIを含むビッグデータ解析法が必須の手法となっており、様々な新規性の高い知識発見を可能にしている(論文投稿中)。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスについては、本科研費の実施期間内だけでなく、実施期間後も繰り返し世界的な流行が想定される。データが急拡大している状況下では、我々が世界に先駆けて開発し、論文発表を続けてきたゲノム配列のビッグデータ解析技術や成果の意義は益々高まっている。本科研費の実施期間後も、何らかの資金を獲得して研究を推進したい。
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Causes of Carryover |
2019年度中に出版になった論文に関して、現時点までに請求書が届いておらず、支払いが行えていない。
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