2019 Fiscal Year Research-status Report
ウイルスに対する免疫応答を規定する非感染状態の免疫システムに関する研究
Project/Area Number |
18K07162
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
亀山 武志 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (40569505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 晃教 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30323611)
山田 大翔 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (10779333)
佐藤 精一 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 講師 (60459724)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自然免疫 / ウイルス / インターフェロン / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,非感染時の定常状態における免疫システム,特に構成的に産生されるインターフェロン(IFN)とそれを制御する制御因子に着目して研究を推進し,このような非感染時の免疫システムを制御することによって,これまでにない新しいアプローチでの感染症やがんに対する予防法を開拓するための分子基盤を構築することを目指している.これまで研究代表者らは,ウイルス感染に対する感染防御システムの研究を推進し,ウイルス感染時に誘導されるI型およびIII型インターフェロンの発現誘導やその制御機構に関する研究を行うなかで,ウイルス感染後に活性化される自然免疫応答は,非感染状態における細胞の状態が抗ウイルス応答に大きく影響を受けるのではないかと考えた.本研究では,ウイルス感染において必須のインターフェロンは,非感染状態においても,非常に微量に産生されていることに焦点をあて, [1] 構成的なインターフェロンの産生誘導メカニズムとその制御機構について,[2] 非感染時の定常状態における免疫システムを制御するシグナルについて,の2点を中心に研究を進めている. 2019年度は,2018年度に作製・樹立した各種ノックアウト細胞を用いて自然免疫の各種シグナル伝達分子と構成的に産生される微量なインターフェロンの発現誘導との関連性について,IFN-βのルシフェラーゼアッセイ,ならびに定量的RT-PCR, ELISAを用いて検証した.一方で新規シグナル伝達因子が構成的なインターフェロン産生に関与するかについても検証し,非感染時の定常状態における免疫システムを制御する機構についての解析を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の研究計画として,2018年度に作製・樹立した各種ノックアウト細胞を用いて自然免疫の各種シグナル伝達分子と構成的に産生される微量なインターフェロンの発現誘導との関連性について,IFN-βのルシフェラーゼアッセイ,ならびに定量的RT-PCR, ELISAを用いた検証(代表: 亀山武志, 分担: 高岡晃教,分担:山田大翔),他のシグナル伝達因子が構成的なインターフェロン産生に関与するかについての検証 (分担: 佐藤精一)などを予定としていた.本年はこれらの研究計画に沿って実施し,これらを計画通り検証し,構成的なインターフェロンの産生のシグナル伝達経路について解析することが出来たので,おおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の研究計画としては,2019年度に引き続き,各種ノックアウト細胞を用いて自然免疫の各種シグナル伝達分子と構成的に産生される微量なインターフェロンや炎症性サイトカインの発現誘導について,ルシフェラーゼアッセイや定量的RT-PCR, ELISAを用いた解析を行いながら,免疫沈降法やウェスタンブロットを用いて細胞内シグナル伝達の解析を進める予定である(代表: 亀山武志, 分担: 高岡晃教,分担:山田大翔).また本研究を通じて見出されてきた複数の新規自然免疫関連因子が,どこのシグナル伝達因子に関与するかについてや,構成的なインターフェロンの産生に関与するかについて検証する(分担: 佐藤精一).さらに,内因性のRNAがどのように構成的なインターフェロンの発現誘導に関与するのかについての解析や(代表: 亀山武志, 分担:山田大翔),この内因性RNAを制御する新規因子についての探索と解析 (分担: 佐藤精一) を行うことを予定している.これらの研究により得られた成果は、学会や論文にて発表を行う予定である.また研究代表者亀山は,適宜分担者とWeb会議や電話などを用いてdiscussionして,研究の方向性を詳細を詰めていくことを予定している.
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