2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K07174
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊勢 雅子 (香山雅子) 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (70311339)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腸管免疫 / 上皮細胞 / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
微生物叢の乱れによる腸上皮バリアの破綻が、炎症性腸疾患、食物アレルギーなどの多様な疾患に関与する事が示唆されているが、上皮バリアの構築メカニズムにおいては不明な点が多い。近年のゲノムワイド関連解析(GWAS)より、微生物叢が影響を与える多くの疾患の感受性に関連する遺伝子の一つとしてMHCクラスIIが報告されている。申請者は、腸管上皮細胞が「非免疫細胞でありながら組織主要適合抗原複合体クラスII(MHC-II)分子を発現する」ユニークな点に着目し、MHC-II分子とその発現や機能を制御するCD74分子の発現が 無菌マウスあるいは抗生物質の投与により変化すること、及びCD74欠損マウスにおいて腸管ダメージに対する感受性が亢進していることを見出した。さらに、上皮細胞のあるサブセットの機能が低下しているために、ダメージに対する修復が遅れる可能性を示唆する結果が得られている。また、申請者らは腸管上皮細胞特異的にMHC-II分子を欠損するマウスを作成し、腸管上皮細胞におけるMHC-IIが経口免疫寛容において、重要な働きを担っていること見出した。現在、その作用メカニズムについて解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腸管上皮細胞特異的にCD74分子、あるいはMHC-II分子を欠損するマウスの作成に成功し、これらのマウスを用いて腸管恒常性の維持における腸管上皮細胞の生体内における機能解析を進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
ノックアウトマウスの解析を中心に、腸管恒常性の維持における腸管上皮細胞の生体内における機能解析を予定通りに進めていくだけではなく、無菌マウスも用いて、腸管恒常性維持におけるCD74分子、およびMHC-II分子の役割を解析していく予定である。
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Causes of Carryover |
腸管内の細菌層によりCD74分子およびMHC-II分子の発現が影響を受け、その結果として、腸管の恒常性の維持の制御に関わっている可能性が大きくなったので、無菌マウスでの解析が必要となり、その準備の時間が必要となったため。
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[Journal Article] Heme ameliorates dextran sodium sulfate-induced colitis through providing intestinal macrophages with noninflammatory profiles.2018
Author(s)
Kayama H, Kohyama M, Okuzaki D, Motooka D, Barman S, Okumura R, Muneta M, Hoshino K, Sasaki I, Ise W, Matsuno H, Nishimura J, Kurosaki T, Nakamura S, Arase H, Kaisho T, Takeda K.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 115
Pages: 8418-8423
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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