2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of molecular mechanisms of intestinal homeostasis regulated by epithelial cells
Project/Area Number |
18K07174
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
香山 雅子 大阪大学, 感染症総合教育研究拠点, 准教授 (70311339)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腸管免疫 / 上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
微生物叢の乱れによる腸管上皮細胞バリアの破綻が、炎症性腸疾患、食物アレルギーなどの多様な疾患に関与する事が示唆されているが、上皮バリアの構築メカ ニズムの詳細は分かっていない。近年のゲノムワイド関連解析(GWAS)により、微生物叢が影響を与える多くの疾患の感受性に関連する遺伝子の一つとしMHC IIが報告されている。そこで我々は腸管上皮細胞が「非免疫細胞でありながら 主要組織適合性複合体クラスII (MHC -II)分子を発現する」というユニークな点に着目し、MHC-II分子と腸管上皮バリ アにおける役割の解析を行った。その結果MHC II分子の発現やその機能を制御するCD74分子の発現が無菌マウスにおいてあるいは抗生物質の投与により変化する事を見出した。さらにCD74分子欠損マウスにおいて腸管ダメージ(放射線照射による腸管ダメージモデル、DSS誘導性腸炎モデル)に対する感受性が亢進することが明らかとなった。CD74分子はB細胞や樹状細胞といった抗原提示細胞にも発現しているために、小腸上皮細胞でのみ特異的にCD74分子を欠損しているマウスを作成し、腸管ダメージにおける腸管上皮細胞に発現するCD74分子の役割を解析した。その結果腸管ダメージにおいて重要な役割を果たしていることが明らかとなった(論文投稿中)。さらに、腸管上皮細胞だけではなく、他の臓器の上皮細胞の恒常性の維持にもCD74分子が関与している可能性が明らかとなった。
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