2021 Fiscal Year Annual Research Report
Gut homeostasis regulated by epithelia-immune cell interaction
Project/Area Number |
18K07184
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
内藤 拓 東邦大学, 医学部, 准教授 (10568728)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | T細胞 / 腸上皮間リンパ球 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
腸上皮内リンパ球(IEL) の分化や動態 におけるEedの役割について引き続き解析を行った。DP-IEL分化が促進されるコロニーとの掛け合わせで、DP-IELが出現しやすいEed欠損マウスコロニーを作成し解析した。その結果、まだ有意差は得られていないものの、Eed欠損した細胞ではDP-IELに分化しやすい傾向が確認された。またEed欠損CD4+ T細胞ではCD4+ IELへの分化がCD8+ T細胞に比べて低下していた。その原因を明らかにするために、二次リンパ組織におけるEedの欠損状態について、Cre活性によりtdTomatoを発現するレポーターを用いて検討した。その結果、ナイーブ表現型を持つCD4+ T細胞、CD8+ T細胞ともEedは効率よく欠損していたのに対して、エフェクターメモリー表現型を持つ細胞の場合、CD4+ T細胞ではEed欠損効率が大きく低下しているのに対して、CD8+ T細胞ではわずかな低下にとどまった。 これまでの研究により、in vitroでのDP-IELの分化をE-cadherinが促進すること、Eed欠損によりin vivoでDP-IELが増加する傾向にあることが明らかとなった。EedはE-cadherinと結合するβ7インテグリンの細胞質ドメインと結合することから、本研究の結果はCD4+ IELと腸管上皮の接着因子を介した相互作用がEedの核外移行促進を通してDP-IEL分化を制御している可能性と矛盾しない。またEed欠損効率の解析から、EedがCD4+ T細胞とCD8+ T細胞では活性化・増殖・生存に異なる機能を果たしていることが新たに明らかとなった。これらの結果は、エピジェネティックな分子機構がIELの分化・生存を介して腸管恒常性の維持に寄与していることを示唆しており、炎症性腸疾患の病態解明や治療につながることが期待される。
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