2020 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of Met specific signaling for cancer malignancy mediated by a novel target molecule PLEKHA5
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18K07219
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Research Institution | Sasaki Foundation |
Principal Investigator |
山口 英樹 公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 部長(移行) (10345035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 俊夫 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 施設長 (20342884)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Met / PLEKHA5 / スキルス胃癌 / 腹膜播種性転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
MetはHGFをリガンドとする受容体型チロシンキナーゼであり、様々ながんで異常な活性化がみられる。Metは特に浸潤転移、再発、治療抵抗性などがん悪性化に深く関わることから、特有の下流シグナルが存在すると考えられる。我々はMet遺伝子増幅を持つスキルス胃がん細胞のリン酸化プロテオミクス解析により、機能未知なタンパク質PLEKHA5を同定した。PLEKHA5はMet依存的にチロシンリン酸化されることから、Metの新規下流タンパク質である可能性が示唆された。そこで本研究では、PLEKHA5の詳細な機能解析を行い、がん悪性化を担うMet特異的な新規シグナル伝達機構を解明することを目的とした。 まずPLEKHA5の発現抑制を行ったところ、Met遺伝子増幅を持つスキルス胃がん細胞の増殖、運動、浸潤が抑制された。マウス移植モデルを用いて解析を行った結果、PLEKHA5の発現抑制により腹膜播種性転移が抑制されることを見出した。さらにPLEKHA5の発現抑制を行ったスキルス胃がん細胞の解析を進めたところ、解糖系に異常が生じること、その結果ストレス応答シグナルが活性化してアポトーシスが誘導されることを明らかにした。以上の結果から、PLEKHA5はMetシグナルによる細胞生存を担う新規シグナル分子であり、スキルス胃がんの腹膜播種性転移において重要な役割を果すことが示唆された。 スキルス胃がんは早期発見が極めて困難であり、有効な治療法が無い難治がんである。本研究の成果は、スキルス胃がんの発症及び進展機構の理解に大きく貢献すると考えられる。またスキルス胃がんだけでなく、Met遺伝子異常を持つ様々ながんの新規治療法開発につながるものと期待される。
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Research Products
(8 results)