2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of novel CUL3 complex-mediated angiogenesis regulatory pathway
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18K07234
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
坂上 倫久 愛媛大学, 医学系研究科, 講師(特定教員) (20709266)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 血管新生 / ユビキチン / タンパク質分解 / CUL3 / 血管内皮細胞 / E3ユビキチンリガーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
血管新生の分子メカニズムを解明することは、癌や糖尿病、さらには心疾患などの治療につながると期待されている。これまで我々は、血管新生を制御する新規分子としてCUL3をベースとするE3ユビキチンリガーゼを同定してきた。CUL3は、基質受容体であるBTBドメインタンパク質(BTBP)とともに複合体を形成し、標的基質タンパク質のリジン残基をユビキチン化し、分解や機能変換としての役割を担っている。BTBPはヒトにおいて183種報告されているが、これまで我々はその中で血管新生制御に必須であるBTBPをいくつか同定しており、本研究課題ではその標的基質のユビキチン化機序とそれに伴う、血管新生制御メカニズムの解明を目指して研究を進めてきた。コムギ無細胞タンパク質合成系を駆使して作成したタンパク質アレイを用いて血管新生制御に重要なBTBPに対して高い結合親和性を示すタンパク質をスクリーニングしたところ、200種類を超えるタンパク質を同定することに成功した。現在は、これらのタンパク質に対してsiRNAライブラリーを作成し、BTBP発現抑制に伴っておこる血管新生阻害活性を回復させる、分解基質候補タンパク質の絞り込みを行なっている。絞り込みに際し、血管内皮細胞のアクチン骨格制御活性を有するタンパク質を同定するために、F-actinの可視化試薬であるファロイジン染色法を用いて実施しており、その中にストレスファイバー形成に重要であるRhoAの活性制御を担うタンパク質が含まれていた。また、一方でCUL3-BTBP複合体の機能を破綻させる遺伝子改変マウスの作成が完了し、そのマウスを用いたin vivoでの解析についても着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において当初計画した通りの実験はすべて実施し、予想の範囲の実験結果が得られている。今後これらの結果を踏まえて計画した通りの実験計画を遂行する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのsiRNAライブラリーやタンパク質アレイ実験から得られた、血管新生のブレーキ解除としての役割を担っているCUL3-based E3 Ub ligaseの分解標的基質とRhoA活性制御候補タンパク質に対してin vitroおよびin vivoの両面での解析を進める予定としている。
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Causes of Carryover |
マウスを用いた動物実験において、血管内皮特異的コンディショナルノックアウトマウスの評価に一部遅延が生じた。本遺伝子改変マウスの評価に使用する予定であった予算は来年度使用とした。
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