2020 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research for the development of personalized therapeutic strategies against a rare renal cell carcinoma
Project/Area Number |
18K07236
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
門松 毅 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (90555757)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ANGPTL2 / TFE3融合遺伝子 / 転座型腎細胞がん |
Outline of Annual Research Achievements |
Xp11.2 転座型腎細胞がんの病態の発症・進展におけるANGPTL2発現の意義を検討するため、尿細管上皮細胞特異的または全身でAngptl2をノックアウトしたモデルマウスを作製したところ、尿細管上皮細胞特異的にAngptl2ノックアウトしたモデルマウスでは、がん病態進展が抑制されるのに対し、全身でAngptl2をノックアウトしたモデルマウスでは病態の増悪が認められた。この結果から、従来の我々の研究成果と一致して、がん細胞由来ANGPTL2がXp11.2 転座型腎細胞がん病態の発症・進展を促進するのに対し、間質細胞由来ANGPTL2はがん抑制作用を示すことが示唆された。そこで、がん間質由来ANGPTL2によるがん抑制のメカニズムを検討したところ、がん間質細胞由来ANGPTL2が、樹状細胞の活性化・成熟や炎症性マクロファージ分化を促進し、抗腫瘍免疫応答を活性化することを明らかにした。 一方、がん細胞由来ANGPTL2がXp11.2 転座型腎細胞がん病態の発症・進展を促進するメカニズムを詳細に解析するため、これまでに実施したヒトXp11.2 転座型腎細胞がん細胞株を用いたRNA-seq解析の結果を精査したところ、ANGPTL2ノックダウンによってMHC-Iによる抗原提示やその関連経路の遺伝子群が増加することを新たに見出した。さらに、尿細管上皮細胞特異的にAngptl2ノックアウトしたモデルマウスでは、尿細管周囲に多数のCD45陽性細胞の集積が認められるのに対し、野生型モデルマウスでは認められなかった。以上より、ANGPTL2が、がん細胞におけるMHC-I発現を負に制御すること、ANGPTL2シグナルによるMHC-I発現低下が免疫逃避をもたらし、Xp11.2 転座型腎細胞がん病態の進展促進に寄与する可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Tumor cell-derived angiopoietin-like protein 2 establishes a preference for glycolytic metabolism in lung cancer cells.2020
Author(s)
Hironobu Osumi , Haruki Horiguchi , Tsuyoshi Kadomatsu , Kyosei Tashiro , Jun Morinaga , Takashi Takahashi , Koei Ikeda , Takaaki Ito , Makoto Suzuki , Motoyoshi Endo , Yuichi Oike
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 111
Pages: 1241-1253
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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