2020 Fiscal Year Annual Research Report
Metabolic biomarker of pancreatic cancer
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18K07266
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 隆 神戸大学, 医学研究科, 助教 (90709669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西海 信 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20514706)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高リスクIPMN / 多重ロジスティック |
Outline of Annual Research Achievements |
Hig-risk stigmataもしくはworrisome featureを有するIPMNを高リスクIPMNと定義し、膵癌/高リスクIPMN群を疾患群としてGC/MSを用いたメタボローム解析を実施した。バイオマーカー候補代謝物は、1,5-AG、arabinose、asparagine、glutamine、histidine、inositol、lysine、methionine、threonine、tyrosine、uric acid、xylitolの計12種類とした。疾患群は59例(膵臓癌44例、高リスクIPMN15例)、健常群は46例で、膵臓癌の患者背景として、stageⅠが2例、stageⅡが18例、stageⅢが13例、stageⅣが11例であった。単変量解析を行い、ROC曲線解析から曲線下面積(AUC)値を算出したところ最大のAUC値を示したのはlysineで、AUC値0.79、感度67%、特異度86%であった。ステップワイズ法でmethionine、arabinose、xylitol、lysineの4代謝物が変数として選択し、多重ロジスティック回帰分析でえられたモデル1では、AUC値が0.90、感度79.6%、特異度86.9%であった。次に、臨床パラメーターを組み合わせた、膵癌/高リスクIPMNのモデル2を作製した。methionine、arabinose、xylitol、lysine、histidine、BMI、ALP、HbA1cを変数として選択した回帰式では、AUC値0.96、感度92%、特異度90%であった。さらに、別の膵癌11例、IPMN7例の分析を行ったところ、感度はモデル1で66%、モデル2では100%であった。この結果はIPMNにおける特異な代謝環境を示唆するものであり、メカニズムを解明するためのIPMNオルガノイドの作成にも取り掛かっている。
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