2020 Fiscal Year Research-status Report
HTLV-1関連疾患における異常DNAメチル化解析と高特異度リスクマーカーの開発
Project/Area Number |
18K07267
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
佐藤 妃映 北陸大学, 医療保健学部, 准教授 (70362960)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL) / DNAメチル化異常 / ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1) |
Outline of Annual Research Achievements |
成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)は、HTLV-1の感染によって引き起こされる非常に難治性の疾患である。本研究ではATLで認められるDNAメチル化異常に注目し、高特異度リスクマーカーの開発を目指して、そのために基礎的なデータを蓄積し解析を行っている。これまでHTLV-1キャリアとATL患者の追跡調査症例の解析において、同一患者検体を用いてDNAメチル化異常を検出したところ、臨床経過に伴う病態の変化と関連することが明らかとなった。ATL発症例では発症前から発症時にかけてDNAメチル化頻度の増加を認めることを見出し、これはDNAメチル化異常を検出することで、早期診断・早期治療が可能になること示唆するものである。そこで、次にリスクマーカーとして臨床検査に応用できる可能性を探ることにした。 DNAメチル化異常の検出にはmethylation specific PCR(MSP)法を用いており、画像解析などを行い数値化し新しい指標に成り得るかどうか解析している。はじめに、様々な由来と性質を有するHTLV-1関連細胞株数種のDNAメチル化異常を比較し、その結果を用いてメチル化指標を計算する試みを行っている。HTLV-1キャリアからATLの各臨床段階に相当する細胞株においてもDNAメチル化異常の頻度が異なり、臨床検体との相関性を認めている。今後、算出したメチル化指標を統計解析し有用性を確認できれば、より感度の高いATL発症高危険群(ハイリスクキャリア)の同定方法の開発に繋がるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度はCOVID-19による移動の制限などが大きく影響し、共同研究者の施設にて実施する予定であった研究が困難となった。加えて、COVID-19に対応するために業務が増加し多忙となったことが挙げられる。代わりにこれまで蓄積したDNAメチル化異常のデータの意義を証明するために、HTLV-1関連培養細胞株を用いた解析を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はHTLV-1関連培養細胞株を用いた解析を進め、得られた結果も活かしてこれまで集積した臨床検体データからさらなる詳細な解析を行う。研究活動状況が改善次第、免疫学的機能解析を実施する。
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Causes of Carryover |
今年度はCOVID-19による移動の制限などが大きく影響し、共同研究者の施設にて実施する予定であった研究が実施できなかった。また、COVID-19への対応のため業務が増加し、研究活動状況が低下したからである。 今年度予定していた免疫学的機能解析等の未使用額は、翌年度分と合わせてその消耗品等の経費に充てる予定である。
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