2020 Fiscal Year Research-status Report
膵がん細胞を特異的に認識する放射性ナノ金属薬剤の合成および評価
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18K07281
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
破入 正行 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員(任常) (80435552)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 銅-64 / 環状ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ナノ粒子系中に効率よく放射性核種で標識した後、生体中低分子または生体高分子を導入する方法を見いだす。今後の放射性ナノ薬剤の分子設計に役立つことを目的する。 今年度は64Cuのナノ粒子調製を主とした。銅-64水溶液を超純水で希釈した放射能量185MBqに塩化銅水溶液(10mM)とシクロデキストリン(1mM)を加えた。次に還元剤として、アスコルビン酸(10mg/mL)を添加し反応を行った。遠心分離による洗浄を行った後末端にアミノ基またはチオール基をもつ平均分子量10000のPEGで修飾を試みた。水溶液中にそれぞれ混合し後、超音波で分散した。遠心分離を行って沈殿物を超純水で洗浄する工程を2回繰り返した。また、アミノ-PEG-チオール基を用いて上述と同様の操作も行った。調製時間は三時間で64Cu導入量は10%前後であった。三種類の64Cuナノ薬剤の溶液中の安定性を安定性を検討したところ、24時間後で未変化体が90%残存していた。放射性ナノ薬剤に導入する環状ペプチドとしてisoDGRの生体内挙動を調べるために、c(-phg-isoDGRK)のリジン側鎖にDOTAを導入した後、銅-64で標識を行った。放射科学的収率および放射化学純度は99%以上であった。B16B10癌細胞を播種したマウスに投与し、PET撮像を行った。その結果、癌細胞に集積するものの速やかに腎に排出することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
銅-64およびジルコニウム-89の提供スケジュールや薬剤購入の大幅な遅延が生じ、大幅に実験計画を変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
銅-64を用いたナノ粒子の調製をさらに検討する。銅-64ナノ粒子の表面修飾はPEG以外の高分子を導入検討する。放射性ナノ薬剤に導入する環状ペプチドとしてc(-phg-isoDGRK)の生体内挙動も明らかにし、さらにナノ薬剤への導入による多価化の差異をPET撮像にて明らかにする。
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Causes of Carryover |
購入するための試薬類が予想以上に納期がかかることがわかった。その試薬類を来年度に購入する。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] 癌蛋白質mGluR1に基づくがん種横断的な211At-AITM標的アイソトープ治療法の開発2020
Author(s)
謝 琳, 張 露露, 破入 正行, 藤永 雅之, 張 一鼎, 峯岸 克行, Hu Kuan, 李 惠子, 長谷川 純崇, 永津 弘太郎, 張 明栄
Organizer
第60回日本核医学会学術総会, 日本核医学会
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