2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new cancer therapy targeting the oncogene-induced replication stress response pathway.
Project/Area Number |
18K07289
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
関本 隆志 群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (20436322)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 発がん性複製ストレス / グアニン四重鎖構造 / Myc / Polymerase η |
Outline of Annual Research Achievements |
発がんシグナルが誘導するDNA複製の遅延・停止(発がん性複製ストレス「発がんRS」)は細胞老化・細胞死を誘導し、これを解消するRS応答機構が発がん促進に重要な役割を果たす。この発がんRS応答機構を解明し、RS増強による細胞死を誘導する治療法が期待されている。 グアニンに富む1本鎖DNAはグアニン四重鎖 (G-quadruplex, G4) 構造と呼ばれる高次構造を形成する。最近の研究からG4構造は複製フォーク進行を阻害しRSの原因となる可能性が示唆されているが、発がんRSにおける役割は明らかではない。そこで、発がんRSにおけるG4の役割を解明することを目的として研究を展開し、昨年度までに、がん遺伝子Myc活性化がS期におけるG4シグナルを増加させ、G4安定化剤処理はこのG4シグナルを増強させることを見出した。加えて、G4安定化剤はMycが誘導するDNA二重鎖切断、細胞死を増強した。 本年度は、Mycによる発がんRS軽減に働くと我々が報告したPolymerase η (Polη)のG4構造に対する影響を解析した。G4安定化剤処理は単独でもPolηの核内集積を増加させたが、Myc活性化との同時処理によりさらに増強された。更に、RNAiによるPolη発現抑制はMyc活性化/G4安定化剤処理による細胞死を増強させた。これらのことは、MycによるG4増加に対する応答にPolηが関与することが示唆される。しかし、PolηのRS部位への集積に重要な役割を果たすPCNAモノユビキチン化がG4安定化剤処理で増加せず、また、Myc活性化/G4安定化剤によるDNA二重鎖切断はPolη発現抑制で増強しなかった。これらの結果から、MycによるG4増加とそのPolηによる応答は一般的なRS応答機構を介したものではなく、別の分子機構である可能性が考えられる。
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Research Products
(3 results)