2019 Fiscal Year Research-status Report
がん遺伝子活性化変異による小胞体ストレス抵抗性の分子機序解明と治療への応用
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18K07309
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
國政 和宏 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター ゲノム研究部, 研究員 (50534020)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス / 小胞体ストレス抵抗性 / がん遺伝子 / 活性化変異 / がん微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体ストレスに対する抵抗性の獲得は、小胞体内に異常タンパク質が蓄積しやすい微小環境下にあるがん細胞にとって重要な防御機構の一つであるが、その分子機序に関しては不明な点が多い。これまでの研究により、がん遺伝子Xの活性化変異体が小胞体ストレス抵抗性因子であることを見出していた。本研究では、がん遺伝子Xの活性化変異体による小胞体ストレス抵抗性化機序やその解除機構を分子レベルで明らかにし、その治療標的化を目指している。 昨年度までに、阻害剤ライブラリーを用いたフェノタイプスクリーニングにより、輸送関連タンパク質が小胞体ストレス抵抗化の解除に関与する可能性を見出していた。本年度は輸送関連タンパク質に対する複数の阻害剤(臨床治験薬も含む)を用いて、小胞体ストレス抵抗化の解除機構の解析とその応用を進めた。その成果として、各阻害剤はカーゴタンパク質の輸送を阻害する濃度域で、がん遺伝子X活性化変異細胞株にボルテゾミブやツニカマイシン等の小胞体ストレス選択的にアポトーシスを誘導した。さらに、小胞体ストレスのマスターレギュレーターである転写因子ATF4の発現誘導を抑制することを見出した。小胞体ストレス抵抗性化機序やその解除機構の解明、及びそれに対する阻害剤の同定は、増殖シグナル阻害とは異なる作用機序に基づいたがん治療法の確立や有用な治療法の無いX活性化変異がんに特徴的な病態の理解に繋がることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化合物ライブラリーを用いたフェノタイプスクリーニングにより、小胞体ストレス抵抗性化を解除する化合物の同定やその解除機構の解析が順調に進んだ。さらに、計画通り、がん遺伝子Xの小胞体ストレス抵抗性機構の絞り込みを進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、がん遺伝子X野生型細胞株とX活性化変異細胞株等を用いた遺伝子発現解析等による小胞体ストレス抵抗性機構の絞り込みを進める。さらに、小胞体ストレス抵抗性化機構やその解除機構の解明や臨床応用可能な阻害剤の同定を進め、マウスゼノグラフトモデル等で検証するための基礎的データの取得を進める。
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Research Products
(1 results)