2019 Fiscal Year Research-status Report
新規高度Env発現組換えワクシニアウイルスワクチンによるHTLV-I感染制御
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18K07327
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
高橋 良明 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20639520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志田 壽利 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 客員教授 (00144395)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | HTLV-1 / ワクチン / 組換えワクシニアウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)はヒトのTリンパ球に感染するレトロウイルスで、成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスである。これまでに根治療法は無く、たいへん予後不良の疾患である。現在、より簡便にHTLV-1感染症を予防や治療できる制御法の開発が求められている。そこで我々は、HTLV-1エンベロープを高発現する組換えワクシニアウイルス(m8ΔHTLV-1env株)を新たに開発して、ワクチンとしての有効性を検証することにした。このm8ΔHTLV-1env株をラットに複数回接種したところ、HTLV-1感染を中和できる抗体が誘導されることがわかった。その後、ワクチン接種したラットでのHTLV-1感染抑制効果を実証しようとしたが、ラットでのHTLV-1感染効率が低いため、今のところワクチンの効果を確認できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
我々はHTLV-1エンベロープを高発現する組換えワクシニアウイルス(m8ΔHTLV-1env株)を新たに開発して、ワクチンとしての有効性を確認することにした。このm8ΔHTLV-1env株をマウス、ラット、ウサギ、ヒト由来の各細胞株に感染させたところ、全ての細胞株でHTLV-1Envタンパクが強く発現した。また、ラットにm8ΔHTLV-1env株を接種した後、血清を回収して、Env タンパクに対する抗体が誘導されるかを調べた。すると、1回の接種では抗体は誘導されなかったが、複数回接種するとEnvに対する抗体が誘導された。さらに、その血清を使って合胞体形成阻止試験を行ったところ、HTLV-1感染を中和できる抗体も同時に誘導されることがわかった。その後、ワクチン接種したラットでのHTLV-1感染抑制効果を検証することにした。しかし、ラットでのHTLV-1感染効率が低いため、今のところワクチンの効果を明らかにできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きラットでのHTLV-1感染効率を高めるための工夫をしながら、ワクチンの効果を明らかにしていきたい。また、HTLV-1感染ヒト化マウスモデルを使った実験も並行して行っていく。免疫不全マウスにヒト末梢血単核球を移植して作製したヒト化マウスでは、効率良くHTLV-1感染が起こる。このヒト化マウスにあらかじめ免疫ラットで誘導した血清中和抗体を投与しておき、その後、HTLV-1を感染させて、その感染が抑制されるかどうか調べる。
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Causes of Carryover |
ヒト末梢血単核球を移植した免疫不全マウス(ヒト化マウス)を使って、組換えワクシニアウイルスワクチンにより誘導されたラット由来HTLV-1中和抗体による、HTLV-1感染抑制能を検証することにした。これには改めて遺伝子組換え実験の申請(大臣確認)が必要であり、令和元年度中には実験を開始できないため、次年度(令和2年度)に研究予算の一部を繰り越した。
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