2018 Fiscal Year Research-status Report
希少がんである脊索腫における腫瘍原生並びに治療標的となるゲノム変異の探索
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18K07330
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
秋山 達 自治医科大学, 医学部, 教授 (40376471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 岳彦 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80245125)
川井 章 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (90252965)
松田 浩一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90401257)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脊索腫 / 腫瘍原生 / ゲノム変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主目標は、治療標的分子が未解明な希少肉腫である脊索腫の腫瘍原生遺伝子変異の同定、新規治療標的となりうる分子の探索、病理診断法の再構築である。これを達成するため、本研究グループと骨軟部腫瘍ゲノム解析コンソーシアム、全国の骨軟部腫瘍治療専門施設との連携による、本邦全体での取り組み体制を想定している。 コンソーシアムにより収集された臨床検体の病理評価を行い、DNA 精製後に次世代型シーケンサーによる全エクソームシークエンス(WES)とターゲットシークエンス (TS)、情報解析を実施する。 本遺伝子変異と臨床病理学的因子との関連を検討する。 高頻度に変異を認めた遺伝子変異については、国内の骨軟部腫瘍研究グループに共同研究の提案することでさらに多数の検体を収集し検証を行う。同時収集された臨床情報を元に、現在予定通り良性脊索細胞腫瘍と脊索腫の疾患特異的遺伝子変異の同定を行っている。コンソーシアム参加20 施設より収集された正常組織および良性脊索細胞腫瘍ならびに脊索腫検体を用い、DNA の精製を行う。すべての腫瘍組織検体は中央病理診断を経て診断の再確認と検体の評価を行っている。腫瘍凍結切片よりHE 染色を実施し、腫瘍細胞の含有率の測定を行い、精製後のgenomic DNA 1-4ug を用いHiseq2500 にてWESを東京大学医科学研究所にて行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初予定通りで無理のない計画であったと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
解析によって得られた配列データは東京大学医科学研究所のスーパーコンピュータを使ってヒトゲノム参照配列に対してマッピングを行い正常組織およびBNCTと脊索腫の遺伝子変異を比較する予定である。また、微小スキップ転移巣ならびに微小腫瘍塞栓に関連する遺伝子変異も解析する予定である。これにより腫瘍特異的な新規遺伝子変異を同定する予定である。すでにコンソーシアム参加20 施設において倫理審査は承認済みである。必要に応じ対象をコンソーシアム外の施設に広げ、検体の提供を募ると同時に、FFPE サンプルから抽出した微量DNA を用いてのWESもしくはTSの実施も考慮に入れるが、これについては解析結果を見てから検討する。基本的には網羅的なWESを実施予定であるが、既報や今回のWESの解析結果を踏まえて解析対象遺伝子を選択しTSを行うことも検討することとしている。
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Causes of Carryover |
使用経費を効率化した結果、本年度は次年度使用額に繰り越せたから。全エクソームシークエンスなどに使用する予定である。
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