2020 Fiscal Year Research-status Report
Functional significance of default mode network in the human brain
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18K07347
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯高 哲也 名古屋大学, 脳とこころの研究センター(医), 教授 (70324366)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 安静時 / fMRI / 覚醒 / 意識 / 眼球運動 / 瞬目 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常被験者における安静時fMRIと眼球運動・瞳孔径の同時計測により、安静時脳活動と覚醒度の関連を調べた。今年度は昨年度に計測した20名の健常被験者データを解析し、最終的な研究結果を得た。デフォルト・モード・ネットワーク(Defaulf Mode Network: DMN)が、実際に安静時fMRIにより計測された脳活動にどの程度関与しているのか検討した。瞳孔面積を計算しその値を覚醒度の指標とすると、被験者は平均でスキャン中の20%の時間は覚醒度が低下した状態と判断された。覚醒度低下の状態をブロックとしてfMRIデータの解析に応用すると、覚醒度の上昇はDMNおよび視床を含めた大脳内側面の活動と有意な関連があった。中でも視床の内部核テンプレートを用いて脳活動を調べると、覚醒時は視床背内側核の活動が他の核よりも有意に高かった。視床の活動の時系列データを用いて、被験者の覚醒度の変化を予測することが可能であった。一方で覚醒度の低下は大脳外側面、とりわけ感覚運動野と視覚連合野の領域の活動亢進を伴っていた。以上の結果をまとめると、安静時fMRIスキャン中の約2割の時間では被験者の覚醒度が低下していた。覚醒度の上昇は、DMNおよび視床背内側核の活動と密接な関連があった。従って安静時fMRIで認められるDMNの機能的意義は、覚醒状態の維持にかかわると考えられた。またスキャン時間の約20%ではDMNの活動は消失しており、スキャン中の覚醒状態のモニターが重要であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は国内・海外を含めて成果発表ができなかった。そのため学術論文をまとめるのが遅れ、次年度に持ち越すことになった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究結果はまとまっているので、次年度は学会発表および国際英文専門誌に論文を投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症により学会発表などを含めて成果発表ができなかったことが理由である。次年度はこれらの条件が改善されることが予想されるので、成果発表を行う予定である。
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