2023 Fiscal Year Annual Research Report
Functional significance of default mode network in the human brain
Project/Area Number |
18K07347
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯高 哲也 名古屋大学, 脳とこころの研究センター(保健), 教授 (70324366)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 安静時 / fMRI / 覚醒 / 意識 / 眼球運動 / 瞬目 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験は既に終了しているため、最終年度は学会参加により安静時fMRIにおけるデフォルトモードの機能的意義についての知見を収集した。そのために第7回ヒト脳イメージング研究会、第119回日本精神神経学会などへ参加して情報収集を行った。
研究期間全体を通じた成果については、「Iidaka T, Fluctuations in arousal correlate with neural activity in the human thalamus, Cerebral Cortex Communications, doi: 10.1093/texcom/ tgab055, 2021」の論文として発表している。 デフォルトモードは安静時fMRIスキャン中に、被験者が何も課題を行っていない状態で観察される脳活動である。この神経ネットワークは、さらに幾つかの下位ネットワークに分類される。その中でも従来から覚醒度や意識レベルと関連するとされる視床の活動に焦点を当て、スキャン中の眼球運動、瞬目、瞳孔径との関連について調べた。 20名の健常被験者から3TMRIにより安静開眼時の脳活動を計測し、内18名を解析に用いた。同時にMRI対応眼球運動計測装置により左眼球運動と瞳孔径を計測した。瞳孔面積を覚醒度の指標とし、眼球運動の大きさを共変量として解析した。 スキャン中で覚醒に相当する時間の割合は79%であった。覚醒時に活動が亢進する領域は、両側の内側前頭前野、後部帯状回、視床、尾状核、小脳であった。視床のデータを用いて各被験者で覚醒/傾眠の状態をROC解析で判別した結果、18名中16名において覚醒か傾眠かを判別することができた。本研究結果から、覚醒の維持には視床を含め皮質下領域と大脳内側面の働きが重要であることが分かった。安静時fMRIにより計測されたデフォルトモードの活動は、覚醒度や意識と密接な関連を持つことが示された。
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