2018 Fiscal Year Research-status Report
生体内カルシウムイメージングによる片頭痛発症機序の解明
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18K07373
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
杉本 大樹 自治医科大学, 医学部, 助教 (70515866)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 片頭痛 / ナトリウムポンプ / マウス / カルシウムイメージング / G-CaMP / CSD |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内カルシウムイメージングによる片頭痛発症機序の解明 Atp1a2欠損マウス(片頭痛モデルマウス)とG-CaMP7マウスを掛け合わせ、ニューロンとアストロサイトでG-CaMP7を発現するAtp1a2欠損マウスを作製した。そのマウスを用い 2光子顕微鏡下で大脳皮質の生体内カルシウムイメージングを行い、細胞活動を調べた。 (1)定常時のCa2+動態のイメージング。定常時のニューロンの自発的活動(一定以上の蛍光強度を示した細胞数、頻度、時間など)を比較観察した。定常時のCa2+動態の変化は、両遺伝子型マウスで、有意な差は無かった。 (2)CSD誘起時のCa2+動態のイメージング。CSD誘起時(麻酔下、KCl滴下)のニューロンとアストロサイトの活動を比較観察した。アストロサイトは標識色素(Sulphorodamine 101)を用いて同定し、ニューロンとアストロサイトを別々に評価した。CSD誘導後、Ca濃度の上昇を示したアストロサイト数は、Atp1a2欠損マウスで有意に多かった。ニューロンでは、有意な差は観察されなかった。細胞間Ca濃度変化パターンは全ての細胞間(ニューロン・ニューロン間、ニューロン・アストロサイト間、アストロサイト・アストロサイト間)で、有意な差は観察されなかった。アストロサイト細胞内Ca濃度変化パターンは、Atp1a2欠損マウスにおいて、細胞内領域間で有意に同調性が低くかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画のうち、マウス定常時とCSD誘起時のCa2+動態のイメージングを予定通り行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1)前年度までの成果をまとめ論文として報告する。 2)当初の予定通り、FHM2患者で見られる点突然変異を導入したマウスのCa2+動態のイメージング、 Naポンプα2サブ ユニットと機能共役する各輸送体の阻害実を行う。Ca2+動態の異常が大脳皮質拡延性抑制の発生原因となること、及びその発生機序を解明する。
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Causes of Carryover |
本年度の研究は、物品費購入額が、若干少額であったため次年度使用額が生じた。次年度使用額は、物品及び人件費として適切に使用する予定である。
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